八島ヶ原湿原-(0h50m)-鷲ヶ峰-(0h40m)-八島ヶ原湿原-(0h20m)-釜ヶ池キャンプ場跡-(0h45m)-八島ヶ原湿原駐車場
鷲ヶ峰は車山から和田峠へと続く縦走路上の小さな頂で、山頂からは美ヶ原や車山など広い展望を楽しむことができる軽いハイキングの山です。またその山麓に広がる八島ヶ原湿原は車山湿原、踊り場湿原とともに霧ケ峰三大湿原の一つで、日本最南端の高層湿原としても知られています。
鷲ヶ峰の登山道は八島ヶ原湿原をめぐる遊歩道をしばらく歩いたところにあります。道標の立つ分岐から道を左に折れ明るい尾根道を登って行きます。火山礫のような滑りやすい小石まじりの坂道が続いています。
しばらく登るとケルンが積まれた稜線の肩にたどり着きました。振り返ると広く開けた八島ヶ原の湿原、その先には蝶々深山から車山のながらかな稜線は続いています。その先には三角形の蓼科山も霞んでいました。
さらに緩やかに稜線を登って行きます。道端には目立った花は多くありませんがそれでもキジムシロやミツバツチグリ、大きな赤紫色の花はサクラスミレのようです。
小さく登った頂が鷲ヶ峰の山頂で、山頂標識の先には草に埋まるようにして三角点もありました。ここからは続く尾根道は和田峠へと続いているようで、峠から登ってくるハイカーもいるようです。広く開けた山頂はさえぎる物のない360度の展望を楽しむことのできるところです。霞むアンテナを頭に載せたのは美ヶ原の溶岩台地、その左右には三ッ峰山と茶臼山の頂がそびえていました。
山頂で展望を楽しんだのち八島ヶ原湿原に下ることにします。この稜線には頭を赤く塗られたたくさんの宮標石が建っています。この登山道を境界として御料地があったのでしょうが山頂やケルンの積まれた稜線のコブなどに2つずつありました。このようにたくさんの宮標石があるところも珍しいものです。
八島ヶ原湿原に下った後、湿原を一周することにします。木道が続く湿原をめぐる道にはハイキングを楽しむ家族連れなどで賑わっています。乾燥化の進んだ湿原には小さな水溜りがあるだけで尾瀬のようにヒツジグサが浮かぶ池塘は見当たりません。湿原の中央部分はすでに草原に変わり始めているようです。
鎌ヶ池の近くには牧舎があります。ここには鎌ヶ池キャンプ場があったようですが利用する人も少ないようで数年前に閉鎖になったと言います。
湿原の外れで車山へ向かう道と別れ御射山神社へ。しばらく進むと八島ヶ原湿原の入口へ向かう遊歩道です。木道が敷かれた道には小さな子供を連れた家族連れや初老の団体客など。この時期この明るい湿原はたくさんの人で賑わっているようでした。
八島ヶ原湿原周辺はあまり花に恵まれたところではありません。それでも道端にはキジムシロやミツバツチグリが咲いていました。大きな花を付けるスミレはサクラスミレ、シロスミレも咲いていました。