三城キャンプ場10:25-(0h40m)-広小場11:05/10-(0h40m)-1870m付近11:50/12:00-(0h30m)-美しの塔12:30/35-(0h35m)-王ヶ頭・王ヶ頭ホテル13:10/50(昼食)-(0h30m)-王ヶ鼻14:20/25-(0h50m)-ダテ河原茶店跡15:15/20-(0h50m)-三城キャンプ場16:10
キャンプ場に続く雑木林の道を緩やかに登り始めます。台風の強い風はこの付近で吹いていたようで、道端には小枝やオオカメノキの実などが落ちていました。
小さな流れに沿って登って行く道はやがて広小場と呼ばれる広場にたどり着きます。ここは百曲りコースと茶臼山コースを分けるところです。
そろそろ色付き始めた落葉松林の中をグザグを切りながら登って行きます。今年は夏の暑さが続いたこともあり紅葉の訪れも10日ほど遅れているようで、木立の先は黄色に色付いているものの最盛期にはまだしばらくかかりそうです。
やがて視界が開けると木立の先に鉢伏山の大きな稜線がその姿を見せてくれます。台風一過の晴天とは言うものの、北アルプスの稜線は雲の中でその姿を見ることは出来ません。
途中、一息を入れたのち灌木の稜線を登ると目の前に溶岩台地の岩壁が見えてきました。尾崎喜八の歌碑に刻まれた「世界の天井が抜けた・・・」とはまさにこの景色、岩屑の急坂を登って行くと広く開けた美ヶ原牧場にたどり着きました。
牛が草を食む一帯はビーナスラインをたどり山本小屋まで車が入ることができます。このためかスニーカーにディザックの軽装で付近を散策するハイカーも多いところです。
塩くれ場からしばらく進んだ所には美ヶ原のシンボルである美しの塔があります。山や自然を題材に多くの詩や随筆を残した尾崎喜八の代表作、美ヶ原溶岩台地の歌碑が刻まれた塔がそびえ立っていました。
美しの塔からは牧柵に沿って続く舗装道路を王ヶ頭へ向かいます。アンテナが林立する王ヶ頭の山頂には王ヶ頭ホテルが建っています。年中営業と言うホテルはスノーハイクや雪景色を目当てに訪れるカメラマンで冬場も宿泊客で賑わうとか。しかしビーナスラインが冬季閉鎖になる冬場はホテルの車が松本まで迎えに行くと言います。
王ヶ頭の山頂は王ヶ頭ホテルの裏側です。三角点のある山頂は御嶽神社の奥ノ院で古びた石像や石祠が祀られていました。
王ヶ頭からは王ヶ鼻へと向かいます。岩屑に覆われた山頂も山岳信仰の色を残しているところで張り巡らされた注連縄の中に石像と石祠が祀られていました。振り返ると王ヶ頭の山頂、それから続く岩壁は三城に向かい切れ落ちています。鉢伏山の上には木曽駒ヶ岳が霞んでいるようですが展望は今一つでした。
王ヶ鼻からは王ヶ頭に戻り三城キャンプ場へと下ることにします。ダテ河原コースと呼ばれる急坂はジグザグが切られているものの岩や木の根を頼りに下る急坂です。振り返ると山頂にアンテナを載せた王ヶ頭の山頂が我々を見送っていました。
たどり着いた三城キャンプ場はすでに4時を過ぎています。早い秋の日はそろそろ傾きかけ王ヶ頭の山頂を染め始めていました。