根場駐車場-(0:50)-1170m附近-(1:20)-雪頭ヶ岳-(0:15)-鬼ヶ岳-(1:00)-鍵掛峠-(0:40)-境界標識-(0:25)-王岳-(1:25)-根場駐車場
西湖の湖畔にそびえる鬼ヶ岳から王岳へと続く稜線は十二ヶ岳から続く露岩の稜線で、変化に富んだ稜線歩きを楽しめるところとしてガイドブックにも紹介されています。
駐車場に車を停め根場の集落の中を鬼ヶ岳の登山口へ。この時期水の流れも少ない川沿いの道はやがて大きな堰堤前の広場にたどり着きます。登山口は右手の階段の脇から。暗い杉林の中を登る急坂は鬼ヶ岳の支尾根を目指して登って行きます。
急な登りに息を切らせながら高度を上げていきます。暗い杉林を抜け、落葉樹の林をジグザグに登ると明るい稜線にたどり着きました。目の前には冬枯れの木立の先に鬼ヶ岳から王岳へつ続く稜線がそびえていました。
明るい稜線を登って行くとブナの林にたどり着きます。付近一帯はブナの原生林と言われるところです。露岩の目立つ明るい稜線は雪頭ヶ岳を目指して登って行きます。振り返ると逆光にきらきらと光る西湖の先に大きな富士山がそびえていました。
たどり着いた稜線上のピークは雪頭ヶ岳と言われる頂で目の前に西湖、その前には大きな富士山がそびえ立っています。逆光に青黒く輝くその斜面は白い雪が張りつき、この周辺にはそろそろ冬の季節を迎え始めているようです。
明るい斜面は花の時期には高山植物の咲くところのようですが、今はアザミの立ち枯れた花穂が秋の日を浴びているだけです。ここはお弁当に丁度良いところです。我々の後から登ってきた10人ほどのパーティもこの斜面でお弁当を広げるようです。30代の女性が目立つ一行は何処かの山岳会でしょうか、松戸の山の会よりは年齢層も若いようです。
山頂で昼食をとったのち鬼ヶ岳に向かうことにします。露岩に覆われた斜面を登り小さな鞍部へ、5メートルほどのアルミのハシゴで岩峰の上に登ると鬼ヶ岳の山頂です。
さえぎる物のない展望が開ける山頂はまさに360度を一望できる頂です。
正面には富士山、それから左手に目を移すと十二ヶ岳の岩に鎧われた岩峰がそびえています。山頂から続く稜線は小さなコブを越えながら王岳へと続いています。その先に白い雲の中に霞む稜線は赤石岳など南アルプス南部の山のようですが、霞みの中に溶け込む頂を同定するのは難しいようです。
山頂で展望を楽しんだ後、王岳を目指すことにします。山頂直下の滑りやすい急坂を下ると明るい稜線歩きが始まります。左手に大きくそびえる富士山を眺めながら小さなコブを越えていきます。露岩の斜面や固定ロープも張られた小さな岩場など、思いのほか変化に富んだ稜線歩きです。
幾つかのアップダウンで疲れが出始めたころ鍵掛峠にたどり着きました。この峠は根場と鴬宿を結ぶ峠道です。峠では雪頭ヶ岳で出会った10人ほどのパーティが休憩していました。彼らはここから根場に下るとか、我々はここで一息を入れたのち王岳に向かうことにします。
鍵掛峠から王岳へ向かう稜線もまたアップダウンの多い稜線です。あまり露岩は多くないもののそれでも小さなアップダウンの続く稜線は思いのほか疲れるものです。目の前に王岳の頂が見え隠れしていますがなかなかその山頂は近付いてくれません。
急な登りに喘ぎながら稜線にたどり着くと王岳の肩、明るい稜線を少し進んだところが王岳の山頂です。ここもまた富士山を目の前に望むことができる頂です。山頂には山梨百名山の古びた山頂標識と三角点が建っていました。
富士山の展望に別れを告げ、根場への道を下って行きます。すっかり葉を落とした雑木林の中をジグザグに下る道はやがて沢沿いの急な坂道を下るようになります。ゴロゴロとした歩きにくい急な坂道にそろそろ飽き始めるころ、西入川の林道にたどり着きました。あとは荒れた林道を根場へと下るだけです。