大雪山お鉢めぐり~広大な火口原をめぐる周遊コース~ 


標高
黒岳 1,984m、北海岳 2,149m、松田岳 2,136m、荒井岳 2,183m、間宮岳 2,185m、中岳 2,113m
山域
北海道
登山日
1999年8月8日(日)
歩程
合計 6:55
歩行距離
13.9km
標高差
668m
累積標高差
1,126m、-1,126m
登山口
黒岳ロープウェイmapon
交通機関
 滝川ICから114km、 黒岳ロープウェイ
登山コース
黒岳ロープウェイ駐車場 -(ロープウェイ・リフト)→ 七合目 -1:20→ 黒岳 -1:40→ 北海岳 -0:45→ 間宮岳 -0:35→ 中岳 -0:20→ 北鎮岳分岐 -0:30→ お鉢平展望台 -0:30→ 黒岳石室 -0:20→ 黒岳 -0:55→ 七合目 -(ロープウェイ・リフト)→ 黒岳ロープウェイ駐車場
コースmap
大雪山お鉢めぐり 登山コース

 

北海道の中央部に位置する大雪山は表大雪、東大雪、北大雪の3つの山域からなる広大な山岳地帯です。その中央部に位置するのが表大雪。旭岳を中心とし南はトムラウシまで、まさに北海道の屋根ともいわれる山域です。その中心に位置するお鉢平は、北海岳や間宮岳、北鎮岳、凌雲岳などに囲まれた広大な火口原です。かつてこの中心に中央火口があり、そこから噴出した火砕流が雲ノ平、北海平を埋め尽くし赤石川に流れ込んだとか。黒岳や北鎮岳、凌雲岳が噴出した後、中央火口が陥没し現在の地形を形成したと言われています。

札幌から道央自動車道で北へ。照明も少ない北の高速道路は行き交う車の数も少ない道です。滝川インターで高速道路を降りてひとまず一般道へ。滝川市内のコンビニエンスで明日のお弁当などを買い込んでから旭川へ向かいます。旭川からは国道39号線に乗り換え層雲峡へ。たどり着いた層雲峡ロープウェイの駐車場には、すでにたくさんの車が停まっていました。我々も駐車場の一角で仮眠することにしました。

山行の記録

 黒岳ロープウェイ~黒岳

目を覚ますと5時半。すでに空は明るくなり、気の早い人はロープウェイ駅に並び始めています。我々もリュックザックを肩に、長くなり始めた列の後ろに並ぶこととします。標高差600メートルあまり、ロープウェアは5分ほどで我々を5合目駅へと運んでくれます。

5合目駅からはリフトに乗り換え7合目へ。リフト駅傍で登山届をしてから、登山道をジグザグに登り始めます。まだあまり日は高くないものの、気温はかなり高くなっているようです。おもわず途中の道端で一息を入れることとします。草むらからは縞の尻尾をしたシマリスがかわいい顔をのぞかせていました。

しばらく登っていくと視界も開け、振り返ると北大雪の山々が層雲峡の柱状節理の上に広がっています。やがてマネキ岩が近づいてくると黒岳の山頂です。広く開けた山頂からは目の前に大きなお鉢平。左手には白雲岳と烏帽子岳、北海岳。右手には凌雲岳と北鎮岳。手前の小さな頂は桂月岳です。この展望を楽しみながらとりあえず朝食としました。

 黒岳~赤石川~北海岳~間宮岳

北海岳から眺めるお鉢平

朝食の後、イワブクロやイソツツジなどが咲く砂礫地を黒岳石室へと下って行きます。たどり着いた石室の前で道は二手に分かれます。どちらの道もお鉢をひとめぐりする道ですが、今回は左手の道をたどることとしました。登山道は美ヶ原と呼ばれる広い草原を赤石川へと下って行きます。たどり着いた沢は赤石川。雪解けの水を集め結構流れも速いようです。毎年架けられる橋は雪の重みで流出するとか。仕方なく登山靴を脱ぎ、裸足で流れを渡りますが、冷たい水は、流れもきつく結構大変な渡渉です。

赤石沢を越え小さな尾根を越えると北海沢です。北海沢をしばらく登ると沢筋を離れ、北海岳の山頂を目指し急な尾根道を登って行きます。歩き始めてからそろそろ1時間。小さなコブの上にあったベンチで小休止です。

小休止の後、砂礫の稜線を登って行くと北海岳の山頂です。なだらかな山頂からはお鉢を取り巻く峰々を手に取るように眺めることができます。


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北海岳から眺める大雪の山々 左からトムラウシ山、下ホロカメトック、オプタテシケと雲の中の十勝岳

北海岳の山頂からは、間宮岳を目指しなだらかな稜線を進んで行きます。指導標が立っていなければ通り過ぎてしまいそうな松田岳、荒井岳を越えると間宮岳です。

平坦な間宮岳の山頂も小さな指導標の立つだけです。ここから少し進んだところが旭岳への分岐点。左手に道をたどると旭岳までは1時間30分の道程と言います。分岐点には数組のパーディが腰をおろしていました。

 間宮岳~中岳~雲ノ平展望台

雲ノ平から振り返るお鉢平

間宮岳はお鉢平のビューポイントのひとつ。赤茶けた火口原の中に赤石川の源流が曲がりくねっています。所々色が変わっているところは今でも火山ガスが噴出しているところか。今でもこの山は、熱い地底の息吹が息づいているところのようです。火山礫に覆われた斜面を下ってゆくと中岳の分岐点です。左手に下って行く道は、裾合平を経て姿見ノ池や愛山渓に下る道。途中には野趣味たっぷりの中岳温泉があると言います。川原に掘られた無人の温泉で脱衣所もないなど、入浴するのはかなり勇気がいる温泉と言います。

中岳分岐点から登り返した小さな頂が中岳。ここからさらにひと登りで北鎮岳の分岐点にたどり着きました。時間はすでに12時を回っています。道端の岩に腰をおろし昼食です。

ここから北鎮岳までは往復20分程度とか。しかし山頂まで足を伸ばす元気は出そうもありません。北鎮岳分岐より急な斜面を下って行くと、広い雪渓の斜面を下ることになります。スプーンカットをたどりながら雪渓を下ると左手に小さな沢がりました。ここで冷たい水を水筒に詰め、雲ノ平を目指すこととします。沢沿いの道をしばらく進むとお鉢平の展望台。目の前に広がるお鉢平を眺めるビューポイントの一つのようです。数人のハイカーが三脚を立てファインダーを覗き込んでいました。

 雲ノ平展望台~黒岳石室~黒岳~黒岳ロープウェイ

この付近までは、ハイキング気分のファミリーもやって来るようで、午後も遅くなったにもかかわれず、数組のファミリーが登ってきます。雪解けの季節はキバナシャクナゲの大群落になると言う雲ノ平を緩やかに下って行くと、赤い壁の黒岳石室の前にたどり着きました。目の前には岩のゴロゴロした桂月岳。その左手には凌雲岳。振り返ると北鎮岳の斜面に白鳥雪渓が大きな羽根を広げていました。

黒岳石室の前で小休止した後、岩がゴロゴロと露出する急坂を登って行きます。最後の登りに息を切らせると黒岳の山頂です。広い山頂でお鉢平らを眺めながら最後の小休止です。

黒岳からはリフトの7合目駅に向かい下って行くことにします。もう午後も遅いのにもかかわらず、スニーカーにディザックの若者が山頂を目指して登ってきました。リフト駅から黒岳山頂までは、気軽なハイキングの山のようです。ダイセツトリカブトやミヤマキンバイなどを愛でながら、露岩の多い道を下って行くとリフトの7合目駅は目の前です。

Panorama
黒岳から眺めるお鉢平 北鎮岳の斜面には白鳥の雪渓
北海岳から眺めるお鉢平 右手にそびえる頂は北鎮岳
間宮岳から眺めるお鉢平 黒岳の上に北大雪の山々が連なっています
黒岳から振り返る北海岳と間宮岳

 

その他のコース・山行記録
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