赤岳~大雪の山々を一望する広く開けた山頂~ 


標高
赤岳 2,078m
山域
北海道
登山日
1998年8月22日(土)
歩程
上り2:15、下り1:40、合計3:55
歩行距離
7.6km
標高差
581m
累積標高差
692m、-692m
登山口
銀泉台ヒュッテmapon
交通機関
 道央道鷹巣ICから97km
登山コース
銀泉台ヒュッテ -2:15→ 赤岳 -1:40→ 銀泉台ヒュッテ
コースmap
赤岳 登山コース

 

大雪山は主峰の旭岳を中心とし、黒岳、桂月岳、北鎮岳、北海岳、間宮岳、白雲岳など標高2,000メートルの山々の総称です。これらの山々は氷河期後期以降に噴火した火山で、もっとも古いニセイカウシュッペ山は今から200万年前の中生代に、もっとも新しい旭岳は今から一万年前に噴火したと言います。旭岳の爆裂火口である地獄谷からは、今でも盛んに墳気を上げています。最初の中央火口はお鉢平の付近にあったようで、そこから噴出した火砕流が雲ノ平、北海平を埋め尽くしたと言います。

今回目指す赤岳は表大雪のはずれに位置し、豊富な高山植物に彩られる人気のコースです。特にコマクサ平周辺に広がるコマクサの群落は見所のひとつと言います。

道央自動車道の旭川鷹栖インターで一般道に降り国道39号線へ。やがて道の両脇に柱状節理の岩壁が迫るようになると層雲峡です。大雪湖から道を右に折れると国道273号線。樹海トンネルを越えたとこるで道を右に折れると大雪観光道路です。緩やかにカーブを繰り返しながら道を登って行くと登山口である銀泉台にたどり着きました。すでにたくさんの車が道端に停まっていました。

山行の記録

 銀泉台~赤岳~銀泉台

銀泉台ヒュッテから車道をしばらく登ると登山口です。ここから登山道はウラジロナナカマドなどの潅木林の中を登り始めます。しばらく登ると第一花園。すでにアザミやアキノキリンソウなど、秋の高茎草原の花が斜面を彩っています。台地の上に出ると展望が広がり、武利岳や武華岳など北大雪の山並みが目の前に広がっていました。

赤岳から眺める大雪の山々

ゴロゴロした岩場は第二花園と言われるところ。右手の沢の中にはまだ雪渓が溶けずに残っていました。この斜面を越えると再び平坦な道になります。細長い沼は神ノ田圃と言われるところ。さらに進むとコマクサ平にたどり着きました。その名の通り砂礫地にはピンクの花をつけたコマクサが咲いています。自然監視員でしょうか、若い女の子が監視の目を光らせていました。聞けば「今年はもう盛りは過ぎてしまった。しかし結構遅くまで花が持っている・・」と言います。一時期、盗掘などで少なくなったコマクサも、彼女たちの努力で回復してきているようです。

コマクサ平から少し下って行くと第三雪渓です。急な坂道に息を切らせながら登った台地は東平。目の前の緩やかな斜面は第四雪渓です。さすがこの時期になると雪渓も残っていませんが、雪解け直後は高山植物が斜面を埋め尽くしているとか。緩やかに登山道を登ると、岩のゴツゴツとした砂礫地に出ました。目指す赤岳の山頂は目の前です。

たどり着いた赤岳の山頂は大きな岩が重なった小さな頂です。地形図上の山頂は北に200メートルほど寄った所と言います。大雪山の峰々を一望できるこの展望はなかなか素晴らしいものです。正面の切れこんだ沢は赤石川の源流で、高山植物が多いことからか花ノ川という名が付いているとか。その右手には黒岳と桂月岳。正面の岩峰は白雲岳です。さらにその奥には山頂を雲に隠した旭岳がそびえていました。

山頂からの展望を楽しんだ後、登山口へ戻ることとします。登山口に車を置いてきたのだから仕方ないでしょうが、上りと下りが同じコースはやはり勿体無いものです。山頂からは緩やかに登山道を下ること1時間半。銀泉台の登山口にたどり着いた時は、まだ3時前でした。

帰路に立ち寄った銀河ノ滝

 大函・銀河ノ滝・流星ノ滝

帰り道は層雲峡に立ち寄って行くことに。国道39号線に出ると右手に大函の大きな駐車場があります。大函は石狩川の流れが柱状節理の岩壁に堰かれた所です。広辞苑によると函は岩壁で囲まれた地形。箱根の山の唱歌に出てくる交通の要衝、函谷関もこのような地形なのでしょうか。切り立った柱状節理の岩壁に挟まれた狭い峡谷に、石狩川の急流が音を立てて砕け散っています。

大函トンネルを越えると銀河ノ滝です。広い駐車場はさすが観光シーズンが過ぎたようで閑散としています。見上げる岩壁の上から白いしぶきを上げながら流れ落ちる銀河ノ滝は、滝口までの距離が離れているものの、なかなか迫力のあるものです。少し下流にある流星ノ滝は、規模が小さいものの木々の間から眺める姿はなかなかのものでした。

Panorama
赤岳山頂から広がる大雪の山並み 左から後旭岳、旭岳、熊ヶ岳、北海岳

 

その他のコース・山行記録
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