甲州街道・上野原から鳥沢 


 歩行時間:行動時間 7:01、歩行時間 5:47
 歩行距離:17.4km
 累積標高差:+663m、-547m
 往路:中央線・上野原駅、復路:中央線・鳥沢駅
 訪問日:2025年6月2日

 

 コースタイム


上野原駅9:44~鶴川宿10:38~鶴川神社~大椚一里塚11:25~吾妻神社・大椚観音堂~野田尻宿・犬嶋神社12:23~西光寺~荻野一里塚13:05~矢坪坂古戦場跡~武甕槌神社13:25~談合坂上り線SA展望台13:45~犬目宿14:07~寶勝寺・富岳三十六景犬目峠14:29/35~白馬不動尊~恋塚一里塚~山住神社~甲州街道馬頭観音~福地八幡神社~鳥沢駅13:35

 

 上野原駅~鶴川宿~野田尻宿~犬目宿~甲州街道馬頭観音~鳥沢駅


甲州街道の街道歩きは上野原駅からです。鶴川宿、野田尻宿、犬目宿、鳥沢宿を歩くことになります。また鶴川の渡しは甲州街道で一つだけの徒歩の渡しがあったところと言います。

上野原の駅から甲州街道が通る台地上までは2kmほどの登り坂、最初からなかなかきつい坂道です。たどり着いた国道20号線は車の多いところ、三井家と書かれた看板を掲げた土蔵造りの商家などが古い歴史の面影が今も残っています。

上野原駅
上野原の駅前
上野原市街
国道20号線沿いには賑わいが広がり
上野原マンホール
上野原の汚水マンホール
三井屋と言う土蔵造りの家

国道20号線を離れ旧甲州街道をしばらく歩くと国道20号線を越える歩道橋へ、さらに坂道を下って行くと鶴川です。

歩道橋から国道20号線を離れ旧街道へ
旧街道は右手の細い道へ
歩道橋で国道20号線を越え
鶴川周辺の集落
鶴川周辺に広がる集落

この地方のアユの解禁は6月1日から、鶴川の川岸にはアユの釣り人が数人、渓流に足を踏み入れながら長い渓流竿を出していました。

この日解禁されたアユ漁
鶴川宿周辺の案内板
鶴川宿の入口
鶴川宿入口に道標
鶴川神社の赤い両部鳥居

鶴川宿の入り口から僅かに登ると鶴川宿です。ここもまた古い街道の面影が残るところです。下見張りの木の壁、二階に縁側がある民家、土蔵造りの商家など、都会の中には残っていない昭和初期の時代が所々に残されていました。

急な石の階段を登って行くと鶴川神社です。牛頭天王の神額を掲げる神社は素盞鳴尊を祀る神社、拝殿の脇には祭典総理と書かれた看板が掲げられています。また境内に置かれた駒つなぎ石はかつて鶴川宿にあったものと言います。

鶴川神社の拝殿
長い階段の上に拝殿
大きな若松屋は問屋場であったところ
鶴川宿の本陣
鶴川宿の富田本陣跡
足湯が併設された介護施設

旧甲州街道は足湯が併設された介護施設から急な坂道を登って行きます。点在する民家を過ぎしばらく歩くと中央道を越える鳶ヶ﨑跨道橋です。その先には江戸から19番目の一里塚と言う大椚の一里塚跡がありました。

中央道脇に続く旧街道
大椚一里塚の石碑
大椚一里塚は江戸から19里
大椚一里塚跡の案内板
大椚宿発祥の地の石祠

集落の中を進むと大椚宿発祥の地の石祠です。大椚宿は江戸幕府が正式に定めていない相の宿とか、旅人が休暇のため利用したところと言います。

吾妻神社の大杉
吾妻神社に樹齢600年の大杉
吾妻神社の拝殿
石段を上がると吾妻神社
大椚観音堂
石段の傍に大椚観音堂
観音堂に大日如来と千手観音

街道沿いには吾妻神社の大杉、樹齢600年と言う大木です。石段の上には弟橘姫命を祀る吾妻神社、石段の傍には千手観音菩薩と大日如来を祀る大椚観音堂がありました。観音堂の前には古い石仏が祀られています。ここは不動院行満寺の廃跡に建つ観音堂と言います。

中央道をアンダーパスで越えると野田尻宿です。ここもまた古い町並みが残るところです。今は使われていないようですが赤いポストが置かれた簡易郵便局、その近くには犬嶋神社の赤い鳥居が建っていました。

野田尻宿の町並み
野田尻宿の古い町並み
野田尻宿の郵便局
犬嶋神社の石鳥居
犬嶋神社の赤い鳥居
犬嶋神社の拝殿
犬嶋神社の狛犬と拝殿

境内の奥には狛犬と拝殿、その隣には村芝居が行われたという神楽殿があります。最近は村芝居が行われていないのか、建物の中には机などが置かれているようです。山間の集落ではどこも同じなのでしょうが、人口の減少により祭りなども後継者不足が問題になっているのでしょう。

野田尻宿の外れには西光寺があります。階段には赤い帽子と涎掛けのお地蔵さん、その上には本堂や観音堂、客殿があります。境内の摩尼車には般若心経が書かれていました。

中央道の跨道橋を渡ると甲州街道の石畳です。箱根の旧街道を想像していましたが泥が目立つだけの道で石畳など見当たりませんでした。

村芝居の舞台という大きな建物
西光寺の石段にたくさんのお地蔵さん
西光寺の本堂
石段の上に西光寺の本堂
荻野の一里塚は江戸から20里

荻野の一里塚は江戸から20里の一里塚です。再び中央道を跨道橋で渡ると矢坪坂古戦場跡の案内板がありました。享禄3年(1530年)甲斐に攻め込んだ2万の北条氏の軍勢を小山田氏の軍勢が待ち伏せしたところとか、かつてのこの地は街道沿いに急峻な山と崖が入り組んでいたところと言います。

狭い坂道には武甕槌神社の石鳥居、緩やかに登って行く道は暗い林の中をたどるようになります。やがて視界が開けたところが座頭転がし、かつては急な坂であったようですが今その面影は見当たりませんでした。

中央道を渡り
矢坪坂古戦場の案内板
武甕槌神社の石鳥居
談合坂上り線SAの駐車場

舗装道路をしばらく歩くと左手は梅畑、枝先には青梅が実っています。青梅の収穫時期は梅雨頃と言いますのでそろそろ梅雨の季節も近づいているのでしょう。目の前は談合坂上り線SA、大きな駐車場が見えていました。

しばらく歩くと犬目宿です。郡内地方で最も標高が高いところに位置する宿場です。犬目宿の標石の傍には農産物の販売所があります。しかし野菜の販売者が少なくなったことから中止になっているとか、また付近を通るバスも土日に1本など生活の環境はかなり厳しいものがあるようです。

犬目宿入口の道標
犬目宿の案内板
犬目宿の道標
犬目宿の農産物販売所
寶勝寺の山門
石段を登ると寶勝寺の山門

寶勝寺の石段を登ると境内に大きな犬目慈悲観音が建っています。ここは北斎の冨嶽三十六景甲州犬目峠や広重の不二三十六景甲斐犬目峠に描かれたところとか、しかし曇りがちな空の下には御正体山の稜線、晴れていればその先に富士山が見えるのでしょう。

境内には犬目慈母観音
寶勝寺の本堂
本堂
富岳三十六景犬目峠の展望
甲州街道の案内板

犬目宿を過ぎると白馬不動尊です。赤い鳥居の先に不動堂があるとか、また案内板によるとこの道は扇山へ続く登山道となっているようです。疲れた足にはなかなか厳しいそうで途中で断念しました。

白馬不動尊の赤い鳥居
恋塚一里塚
山神社の鳥居
山神社の赤い鳥居と石段
山神社の社殿
石段を登ると山神社の社殿

恋塚の一里塚は大きな築山のある一里塚で江戸から21里に位置すると言います。近くには山住神社の赤い鳥居がありました。厳島神社のような控え柱が付いた両部鳥居であまり見かけない鳥居です。石段を登って行くと小さな拝殿がありました。

富浜公民館山谷分館に小さな祠
甲州街道の馬頭観音
交差点に石仏
中央道の高架橋の下をくぐり

しばらく歩くと山谷、街道の傍には甲州街道馬頭観音と呼ばれる古い石塔が祀られています。ここは大月カントリークラブの入り口にもなっているようで、ゴルフを終えた車が下ってくるところです。またここには富士急バスの折り返しのバス停がありました。

この付近からは舗装道路の急な下りになります。疲れた足には下りの坂道もきついものです。やがて扇山からの下りで歩いたことのある坂道、道端の大きな杉の木の下には古い石仏が祀られています。

東京から87kmの道標
大月市のマンホール
大月市の汚水マンホール
福地八幡神社の赤い鳥居
鳥沢駅
たどり着いた鳥沢駅

やがて中央道の高架橋の下をくぐると国道20号線です。車の流れも多い国道沿いには少し時代を感じさせる民家もあります。疲れた足を引きずるようにしてたどり着いた鳥沢駅、ほどなく登りの普通列車が到着しました。

上野原駅からの歩程は17km、標高差500mを越える登りがきつかったのか思いのほか歩き応えがあった街道歩きでした。

 

 コースGPSmap


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