風布駐車場9:25~花山コース分岐9:45~455m付近10:25/30~日本水分岐10:50/11:00~釜伏山11:10/15~釜山神社11:30~釜伏峠11:35/40~中間平緑地公園東屋12:30/13:05~中間平展望デッキ13:20/30~日本の里風布館・カタクリ群生地13:55/14:00~風布駐車場14:05
山の会の仲間との春のハイキングは秩父の釜伏山、日本の名水百選に選ばれた日本水がわき出すところとして知られています。また日本武尊が東征のとき訪れたとされる釜山神社が祀られたところです。
東京ではお花見のニュースが伝えられた週末と変わり季節が1月も戻ってきたような寒い空模様です。
秩父鉄道の波久礼駅から風布川にそった狭い道をしばらく登ると日本の里観光案内所です。近くの駐車場は平日と言うこともあるのか人景はありません。
それでも道端にはピンクのミツバツツジやミツマタの花、ホトケノザやハナニラなど春の花が咲いています。
しばらく舗装道路を登ると花の山コースの分岐です。日本水への道を右に分け杉林の中をさらに登って行くと見上げる大岩壁の下を巻くように階段の道が始まります。
やがて道は木の階段の急坂、しばらく登ると右手の斜面にアカヤシオの花が見えてきました。
固定ロープを頼りに小さな岩場を登って行きます。見上げると満開のアカヤシオ、標高が低いこともあってこの周辺のアカヤシオの花は少し早いようでした。
たどり着いた尾根には天然記念物ゴヨウツツジの石柱があります。ゴヨウツツジはシロヤシオの別名、5月になればシロヤシオの花が咲く稜線になるのでしょう。
アカヤシオの花の先に風布の山里を眺めながら岩っぽい道を登ると日本水の分岐です。岩が崩れ落ちる危険があるということで通行止めになっていました。
ここからも岩っぽい登りです。鎖が付いた石の階段に息を切らせながら高度を上げると山頂の直下、振り返ると中間平の稜線の先に寄居の街並みが霞んでいました。
たどり着いた釜伏山の山頂には釜山神社奥の院の石祠があります。釜山神社は狼伝説の残る神社で石祠の前には狛犬ならぬ狼の石像が祀られていました。
木立に覆われた暗い山頂はあまり展望が期待できるところではありません。それでも曇った空の下に城峰山や御荷鉾山の峰が見えているようでした。
釜伏山の山頂からは岩っぽい斜面を下って行きます。案内板によるとこの周辺は蛇紋岩からなっているようです。尾瀬の至仏山のように蛇紋岩の山は珍しい花が咲くところですが、滑りやすいことでも知られています。枯葉に覆われた急坂は少し気になる下りでした。
神威輝四海の額を掲げる釜山神社は狼信仰の神社です。杉木立の中に続く参道にはたくさんんの狼の石像が祀られています。また石柱に並んで祀られた石の釜は粥を炊く釜でしょうか、この神社では粥占いが行われていたと伝えられています。また釜伏山が釜を伏せた形に見えることによるとも言われています。
たどり着いた釜伏峠は外秩父七峰縦走ハイキングコース、また関東ふれあいの道が通るところです。あまり雪が降らないことから冬場の軽いハイキングを楽しめそうなところです。
釜伏峠からは舗装道路を中間平緑地公園へと向かうことにします。暗い杉林の道端には咲き始めたアズマイチゲ、黄色いコガネネコノメソウの花が目立ちます。
途中から舗装道路を離れ公園へと続く遊歩道を歩くことにします。この周辺はもみじの樹が多く、秋にはたくさんのハイカーや観光客を集めるところです。
公園のはずれにある中間平展望デッキは視界が広がり眼下には花桃の里が広がっています。すでに花の時期は過ぎていましが所々に赤い花が見えていました。曇り空の下には小川町の金勝山の山並み、低い山ですが管ノ倉山とを結ぶハイキングコースがあると言います。
中間平緑地公園に戻り桜の花が咲き始めた斜面を風布へと下って行きます。ジグザグに下る杉林の中の道は有料道路の下をくぐり日本の里風布館にたどり着きました。この園地にはミズバショウの白い花、すでに青い大きな葉が芽を出しています。水面に目を落とすとたくさんのオタマジャクシが泳いでいました。
また近くのブナの斜面はカタクリの群生地です。一面に咲くピンクの花、曇り空の下で大きく花を開くものは少ないようですがたくさんの群生は見事というものです。
歩道道路の先には姥山神社が祀られていました。石段を登った拝殿の前には菰犬ならぬ蛙の石像が祀られていました。御祭神の石凝姥命は、石の鋳型を使って鏡を鋳造する神様、天照大神を岩屋戸から迎え出すのに用いた鏡を作った神様で、鍛冶屋の神とも言います。
春先のアカヤシオの花を目指した軽いハイキング、冷たい空からは小雨も降ってきましたがお目当てのアカヤシオに出会うこともできた山行でした。
釜伏山の周辺は思いのほか多くの花が咲くところです。釜伏山が寒い風を防ぐことから風布川は春が早いようです。
釜伏山の周辺にはアズマイチゲ、コガネネコノメソウが群生していました。