堂平山、笠山は、大霧山と供に比企三山と呼ばれ、古くから知られた山です。堂平山の山頂には三鷹天文台の天体観測ドームがあります。人工の光に邪魔をされないようにこの山頂に建てられたと言います。また笠山は一名乳首山とも呼ばれ、古くから山岳信仰の対象となった山と言います。縦走路からは外れていますが、東峰には笠山神社が祭られています。
池袋から東武東上線の特急電車に乗り小川町の駅へ。小川町の駅は地方都市そのままの雰囲気の町で、駅前には幅の広い通りが通っていました。白石車庫行きの東武バスは約20分ほどの待ち合わせ。たくさんの登山客を乗せたバスは、すでに刈り入れの終わった東秩父村の山村を終点の白石車庫へと向かいました。
白石車庫のバス停からは舗装された関東ふれあいの道を白石峠へと登って行きます。しばらく登ると七重峠を経て笠山に向かう道を左手に分けます。20分ほど単調なアスファルトの道を進むと、やがて道は石の多い登山道に変わり、勾配も急になってきます。ブナの林はすでに紅葉の真っ最中。黄色く色付いた木々の間から漏れる秋の日は、清々しい気持ちにさせてくれます。しばらく沢に添った坂道を登って行くと、やがて勾配も緩やかとなり車道の通る白石峠にたどり着きました。峠には立派な東屋が建っていました。
白石峠からは左手の明るい尾根道を剣ヶ峰に向かい登り始めます。延びやかな明るい尾根をひと登りすると、アンテナの建つ剣ヶ峰にたどり着きました。目の前は広く開け秋の青く澄み切った空の下に、遠くに霞む日光の山々、その前になだらかな大霧山、山頂にアンテナの建つ丸山、切り立った両神山の岩峰。ここからの武甲山は逆光に黒く霞んでいます。
剣ヶ峰より急な階段を下っていくと、天文台へ続く車道に飛び出しました。なだらかなに登り返すと、天文台のドームの前に飛び出します。ドームの前は広い芝生になっていました。
堂平山の山頂で一休みした後、七重峠に向かい急な下り坂を下って行きます。広い七重峠には切通に向かう車道が通っています。ここからは急な坂道を笠山に向かって登って行きます。たどり着いた小さな頂が笠山の西峰です。
笠山からは延びやかな尾根道を萩平に向かい下って行きます。林道が交差した下り坂をしばらく下って行くと皆谷への分岐点。所々に外秩父7峰ハイキングコースの真新しい指導標が建っていました。毎年春には官ノ倉山から笠山、堂平山、大霧山などの峰々をめぐる外秩父7峰ハイキング大会が開かれています。今日たどってきた稜線もそのコースの一部になっているようです。
御堂川からはアスファルトの農道となり、両脇は萩平の集落。赤く色付いたカキがタワワに実っていまました。笠山への登山口には冬桜が白い花を咲かせていました。