道坂トンネル-(1h20m)-今倉山-(0h50m)-赤岩 -(0h55m)-二十六夜山-(0h55m)-道坂トンネル
道志には二十六夜山と呼ばれる山が2つあります。二十六夜山は江戸時代に盛んだった二十六夜信仰の山で、旧暦の1月と7月の26日の夜に、月の出を拝む信仰です。細いその光の中には阿弥陀、観音、勢至(せいし)の三尊の姿が見え、これを拝むと幸運が得られるという信仰と言います。
今回登ろうとする二十六夜山は道志二十六夜山と言われ、数年前に登った二十六夜山は秋山二十六夜山と区別されているようです。また今倉山の先には目の前に大きな富士山を一望できる赤岩と呼ばれる頂もあり大きな展望を期待できると稜線と言います。
トンネル脇にはすでに数台の車が停まっています。平日にもかかわらずこの山には訪れているハイカーも数組いるようです。
登山道はトンネルの脇から雑木林の中を登って行きます。落ち葉を踏み締めながらひと登りすると今倉山と御正体山を結ぶ稜線にたどり着きました。ここから道を左に、紅葉に包まれた明るい稜線を登って行きます。それほど急でないもののまっすぐに登る登山道に汗を流します。
やがてカラマツの稜線が近ずくと今倉山の山頂にたどり着きました。ここは昨年の秋、菜畑山から晩秋の稜線をたどってきたところです。展望のきかない山頂には山梨百名山の標柱と三角点がありました。
今倉山からは枯れ葉を踏み締めながらの明るい稜線歩きが始まります。あまり人が入っていないのか、登山道には厚く枯れ葉が降り積もっています。一度小さく下って登り返したピークは今倉山の西峰である御座入山。小さな山頂標識があるものの展望も利かない目立たない山頂です。
ここからは鞍部へ向かって下って行きます。雑木林に覆われた鞍部は西原と言われるところで沢入りコースへの分岐点がありまました。ここからは赤岩への登り返しです。雑木林の稜線をひと登りすると小さな露岩の上のピークである赤岩にたどり着きました。
ここは360度の展望が開けるところです。目の前には御正体山、その奥には鹿留山や杓子山、その奥には御坂山塊の山々が続いています。残念ながら富士山の周辺だけが巻き上がる雲に包まれ山頂はその姿を見せてくれません。山頂でコッヘルを出し昼食です。山頂で出会った初老の男性は退職後山登りを始めたと言う人で、関東周辺の山には足しげく通っているようです。もう100近くも登ったとか、我々も同じでしょうが何時まで足腰が続くのかと心配していました。
山頂で昼食を楽しんでから二十六夜山に向かうことにします。赤岩からは小さなピークを幾つか越えるようで1時間近くかかるようです。初老の男性は帰りが心配ということで赤岩から道坂トンネルに引き返した行きました。
小さなアップダウンを繰り返しながら稜線を下って行きます。やがて枯れ葉に覆われた階段を下ると林道にたどり着きました。この林道は1/25000地形図には記載されていないようですが県道へと続く道です。二十六夜山への登山道は林道の反対側にありました。
階段を登ると雑木林の尾根道が始まります。小さなコブを越えると二十六夜山の山頂に着きました。東南側が広く開けた山頂には標柱と三角点があります。目の前には御正体山が大きなすそ野を広げていますが、その上に見えるはずの富士山は相変わらず5合目付近から上を雲に隠しその姿を見せてくれますん。
山頂直下には二十六夜塔が立っていました。二十六夜信仰が盛んだったころには、都留の村人がこの塔の前に集い昇り始める月を待っていたのでしょうか。
山頂で一休みをしたのち林道をたどり道坂トンネルに戻りました。舗装道路の下りはあまり好きになれるものではありませんが、黄色く色付いたカラマツの林を眺めながら林道を下り道坂トンネルに戻りました。