大群山(大室山)から加入道山~神奈川と山梨の明るい県境尾根~ 


標高
大群山(大室山) 1,587.6m、加入道山 1,418.4m
山域
丹沢
登山日
1992年5月3日(日)
歩程
合計 5:05
歩行距離
13.1km
標高差
1,042m
累積標高差
1,248m、-1,185m
登山口
西丹沢自然教室mapon
交通機関
 小田急新松田駅、 富士急行バス
登山コース
西丹沢自然教室-0:20→ 用木沢出合い -1:05→ 犬越路 -1:25→ 大群山 -1:00→ 加入道山 -0:40→ 休憩舎 -0:35→ 和出バス停
コースmap
大群山 登山コース

 

丹沢山塊の北西に位置する大群山、加入道山は神奈川県と山梨県の県境をなす山です。この稜線には甲斐の武田信玄が小田原城を攻めるとき、軍犬を先頭に越えたという犬越路があります。一般車には開放されていないものの、今ではこの峠の下にトンネルが通っていますが、当時は通う人もいない峠であったようです。そろそろ丹沢も本格的な芽吹きの時期を迎え、登山道には春を彩る花も咲き始めているようです。今日は犬越路峠から大群山、加入道山へと結ぶ早春の丹沢を歩いてみることにしました。

小田急線の新松田駅から富士急バスで西丹沢に。連休の真最中、バスは大きなザックを背負ったハイカー、自分の背より大きいキスリングを背負ったボーイスカウトの一団など、たくさんの若者で溢れていました。

山行の記録

 西丹沢自然教室~犬越路

終点の西丹沢自然教室から、中川沿いの車道をしばらく進みます。河原にはカラフルなテントが立ち並び、たくさんの家族連れが川遊びに興じています。しばらく進むと用木沢の出合い。ここから道は沢道を登るようになります。このコースは東海道自然歩道にも指定されている道で、真新しい指導標も建ちコースも良く整備されています。

やがて登山道は大きな堰提から用木沢を離れ、左手の山腹を登って行きます。明るい雑木林の中の急坂に汗を流すと、やがて避難小屋の建つ犬越路にたどり着きました。ここからは広い展望を楽しむことができます。左手には檜洞丸の大きな山頂。正面にはなだらかな山頂をした権現山と畦ヶ丸がそびえていました。

武田信玄が通ったと言う犬越路
稜線からは雪を被った富士山が見えます

 犬越路~大群山

避難小屋の側から急な尾根道を登り始めます。明るい急坂をひと登りすると大杉丸ノ頭。正面にはこれから登る大群山の大きな山頂。左手には御正体山の上に、白い雪の帽子を被った富士山がそびえています。

登山道は大群山の肩に向い急な稜線を登って行きます。登りつめた稜線を右手にしばらく進んだところが目指す大群山の山頂です。二等三角点の建つ小広い山頂には、朽ちかけたベンチが置かれていました。残念ながら山頂はブナなどの雑木林に囲まれ、期待していた展望はほとんど得られません。山頂からは鐘撞山を経て月夜野、大渡、大室指などへと下る道があるようですが、あまり整備されていない踏み跡程度のようです。

尾根道から見上げる大群山
大群山から振り返る丹沢の山々

 大群山~加入道山~和出

大群山の山頂で昼食の後、加入道山へと向かうことにします。コバイケイソウの群生している尾根道を下っていくと破風口。ここは風の通り抜ける狭い鞍部で、朽ちかけた小さな指導標が一つ建っていました。ここから小尾根を越え、小さく登り返すと雑木林に囲まれた加入道山の山頂です。山頂直下には避難小屋も建っていました。

加入道山からは白石峠へとのびやかな尾根道を下って行きます。5分ほど下ったところが道志村への分岐点。朽ちかけた小さな指導標が建っていました。左手に下っていく道は白石沢キャンプ場から西丹沢自然教室へ向かう道。右手の道は道志へと下って行く道です。今回はここから道志村へと下ることにします。下山道は正面に菜畑山や今倉山など奥道志の山を眺めながらの山道です。思いのほか踏み跡もしっかりとしています。しばらく下ると沢筋に下り、白石峠からの道と合わせたところに休憩小屋が建っていました。

広くなった登山道を下っていくとムロクボ林道に飛び出しました。ここからバス停のある和出の集落まではおよそ20分。林道沿いには道志温泉、川筋にはキャンプ場、村営フィッシングセンターなど、たくさんの行楽施設があります。行楽に来たのでしょうか、若者連れのマイカーが道の両側に停まっていました。たどり着いた和出のバス停では、およそ30分ほどの待ち時間で月夜野行きのバスが出ると言います。

山で出会った花たち

用木沢から犬越路へと登っていく登山道には、春の野を染めるタチツボスミレ、マムシグサなどが咲いていました。黄色い目立たない花を付けたのはヤマネコノメソウでしょうか。

大群山に向かう明るい尾根道には白い花を付けたキクザキイチゲが咲いていました。透き通るような薄水色の花を付けたものもあります。

 白い花を付けたマルバスミレ?
 コバルトブルーのキクザキイチゲ
 キクザキイチゲ

大群山の山頂にかけてはコバイケイソウの大きな葉が顔を出していました。おそらく初夏にかけて、この斜面一面に白い花が咲き乱れるようです。

その他のコース・山行記録
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