GpsLogは電波状態が悪く一部欠測しています。
大峠10:30~雁腹摺山11:20/35~大樺ノ頭12:30/55~シオジの森(お弁当広場の分岐)14:00~長沢分岐14:00~1540m付近14:50/15:00~大峠15:55
大峠の近くには雁が腹を擦りながら渡って行く山として名付けられた雁ヶ腹摺山があります。ここは旧500円札の裏面に描かれた富士山展望の山として知られるところです。
またこの近くにはシオジの天然林としては日本一と言われる小金沢シオジの森があります。シオジは山地の岩がちな沢沿いに生えるモクセイ科の落葉高木で、木目が美しいことなどから建築の内装材などに利用されると言います。
たどり着いた大峠の駐車場には数台の車が停まっています。ここは雁ヶ腹摺山のほか黒岳の登山口ともなっているようです。黒岳へは1時間ほどかすでに黒岳から下ってくる夫婦連れもいました。
登山口からはまだ芽吹きも浅い登山道が始まります。緩やかに登って行く登山道には小さな沢、崩壊が進んでいる所もあるようで道が分かれていました。
登山道はジグザグを切りながら山肌を登って行きます。道には桜の花弁が彼方此方に、すでに花は終わっっているようで見上げる梢にサクラの花を見付けることはできませんでした。
やがて登山道脇にパワースポットと言う神奈備石、自然石とは思えぬ岩はまさに神が宿る岩と言えるようです。
シラカバの林をひと登りすると山頂直下の草原にたどり着きます。右手に姥子山への道を分けると500円札の案内板が建つ山頂です。ここは山梨百名山の頂、また大月市が選んだ秀麗富嶽十二景の頂です。三ツ峠山の上にそびえる富士山が一望できるところですが立ち込めるガスの中にその姿を見付けることはできません。
山頂からは大樺ノ頭へと向かうことにします。山頂の先は芽吹き始めたカラマツ林です。木立の間からは黒岳から続く枝尾根、左手にはかすかに白谷ヶ丸の禿げた頭が見えていました。
急坂を下ると奥秩父を思わせるコメツガと苔の稜線歩きです。まだ芽吹きも浅い稜線には目立った花を見付けることはできません。それでも登山道わきにタチツボスミレやミヤマスミレが咲いていました。
緩やかにコブを拾いながらコメツガの稜線をたどって行きます。小さな岩場を登ると木立に覆われた大樺ノ頭にたどり着きました。
展望が効かない山頂には三角点があります。左へ下る道はシオジの森へと続く道、右手には大峰へと続く道が分かれています。しかし下山後の交通の便はかなり難しそうなところのようです。
山頂直下で少し遅いお弁当をとったのちシオジの森へと下ることにします。コメツガの林の中を下って行く尾根道はふみ跡も薄く道標もありません。所々に現れる赤テープがあるだけですが尾根筋を外さなければ間違いそうなところはありません。
やがてカラマツやアセビなどの中を下って行くとお弁当広葉の分岐にたどり着きました。この周辺はシオジの天然林です。今が黄緑色の若葉の季節、案内板によると7月には沢沿いに実生のシオジが芽を出すと言います。
落ち葉の中の階段を下って行く道はシオジの森入り口へと下って行く道、左手の階段を登て行く道は直接長沢分岐へと登って行く道です。
出発が遅れたこともあり少し時間も遅いようです。我々は長沢分岐への道をたどることにしました。
周辺は若葉色に包まれたシオジの群生です。まっすぐに伸びた灰白色の木肌が特徴のようで丹沢などにもあるようです。昨年、堂平で出会った森林保護の作業をしていた人がシオジやブナの種を集めていたと話していたのが記憶に残っています。
登山道は若葉色の山肌を緩やかに登って行きます。ミヤコザサの斜面に続くふみ跡は長沢の分岐へ、右手にはシオジの森へと下って行く周遊散策路が分かれています。
ここからも山肌に縫うように緩やかな登りが続いています。幾つかの沢を越えながら展望が効かない道を登って行きます。視界が開ける道標の脇で小休止、ガスに包まれた空からポツポツ雨粒が落ちてきましたが降り出すこともありませんでした。
やがて真っ白なガスの先に山肌を登ってくる舗装道路が見え隠れすると大峠は目の前です。深い落ち葉を踏みながら小さく下って行くとゲート近くにたどり着きました。
巻き上がる展望は今一つ、それでも奥秩父を感じさせるコメツガの林とシオジの森を歩いた軽い山行でした。