平沢登山口-(沢通り-赤岩分岐-古谷T字路-1h20m)-密岩通り登山口-(1h00m)-岩櫃山山頂-(0h05m)-九合目(東峰)-(0h50m)-平沢登山口
岩櫃山は吾妻渓谷の入り口、東吾妻町の近くにそびえる800mをわずかに超える岩山です。しかし急峻な岩壁を巡らせたその姿は長野街道をゆく旅人を威圧したところと言います。
またここは岩殿山、久能山とともに武田三名城の一つに数えられる岩櫃城の山として知られています。NHKの大河ドラマ真田太平記でも、岩櫃城の地炉の間で真田昌幸と草の者の頭である壺谷又五郎が密談するシーンがありますが、まさにこの地が真田氏と上杉氏の攻防の拠点であったと言います。
車を停めた平沢登山口から沢通りを登って櫃の口へ向かいます。暗い沢沿いの道は岩がゴロゴロところがりあまり歩きやすい道ではありません。天狗の蹴上岩手前で道を左に折れると赤岩通りの分岐です。
ここからは雑木林の斜面を下って行くことになります。落ち葉が積もった斜面は大きな岩を巻くように下って行きます。岩壁の傍を下る赤岩通りは崩壊のため通行止めになっているため、途中から旧道を通るようになります。
暗い杉林の中をしばらく下ると広く開けた赤岩通り登山口にたどり着きました。目の前には岩櫃山の岩壁が圧倒する迫力でそびえていました。
ここに残る石垣は潜竜院の跡です。織田信長が甲斐に進入した時、真田昌幸が武田勝頼を迎え入れて再起を図るため築いた古谷屋敷の跡に建てられた寺院跡と言います。そびえたつ岩峰は山麓で繰り広げられる歴史の流れを静かに見守っていたのかもしれません。
ここからは古谷の集落の中を密岩登山口へ向かいます。すでに収穫の終わった野菜畑の中を登って行くと密岩通りの登山口にたどり着きました。
しめ縄が張られた登山口からは杉林の中を登る急坂が始まります。小さな鎖やハシゴなどを頼りの急坂を登って行きます。たどり着いた鞍部からは岩の稜線歩きが始まります。灌木に覆われた岩尾根を進むとこのコースのハイライト天狗の架け橋と言われる細い岩場で、長さは2m、幅は50cmほどの細い岩の橋を渡ることになります。ここには巻き道もありました。
天狗の架け橋から続く岩峰の先には10mほどの細い岩場もあります。鎖を頼りに岩場を越えると次は胎内くぐり。そびえ立つ岩に基部に空いた穴をすり抜けると目の前に岩櫃山の山頂がそびえていました。登山道は岩壁の渕を回り込むようにして山頂の下にたどり着きます。ここからは長い鎖を頼りに山頂に登ることになります。
狭い山頂はそそり立つ岩峰の上で眼下には郷原の町並み、霞んだ稜線は榛名の山々です。近くには浅間山も見えるはずですが気温が上がっているのか、白く霞んだ空の中にその姿を隠していました。
山頂からは9合目の東峰に下ります。今日はこの岩峰で久しぶりにコッヘルを取り出し昼食にしました。
帰りは尾根通りを通り天狗の蹴り上岩へ。ここからは岩櫃城跡をたどり車を停めた平沢の登山口に戻りました。