角田浜-(0h35m)-サブコース登山口-(1h10m)-角田山 -(0h35m)-梨ノ木平-(0h55m)-角田浜
新花の百名山にスカシユリの咲く山として選ばれた角田山はむしろ雪割草の咲く山として広く知られています。雪解けとともに色とりどりの花を付ける雪割草はミスミソウ、オオミスミソウ、スハマソウの別名です。サクラソウ科の高山植物にもユキワリソウがありますが、むしろ雪割草の方が広く知られているようです。
たどり着いた角田浜は日本海に面する海水浴場で、広い駐車場の傍には海の家や民宿なども建っています。シーズン中に海水浴客で賑わうところのようですが、営業まだ暫く先のこと。しかし広い駐車場もたくさんの乗用車や観光バスで埋まっています。地元新潟の車よりはむしろ県外の乗用車が目立つようです。
角田浜からの登山道には灯台コースや案内図では紹介されていませんが桜尾根コースが利用されているようです。桜尾根コースは雪割草の咲くコースとしてネットなどにも山行記事が出ていますが国道沿いと言う登山口もあまりよく判りませんでした。
国道沿いの細い車道脇に数台の車が停まっていました。登山靴を履きかけていたお爺さんに話を聞けばこの先に雪割草の群生地があるとか。一緒に案内してくれると言います。
細い林道をしばらく登って行くと杉林の中に角田浜七浦オッタの山里を守る会が設置した小さな案内板がありました。小さな流れを渡り杉林の中を登って行く道は私有地の中に付けられた道です。地元の人が雪割草の保護や登山道の整備をしているようですが心ない人による盗掘や登山道の踏み荒らしが続いていると言います。わずかな花の季節にたくさんのハイカーが訪れるこの山は、自然を守ることが難しい山のようです。
しばらく登ると色とりどりの雪割草が咲き乱れていました。3月の末に咲き始めると言うことで花の時期には少し遅かったかと危惧していましたが、先月末の寒気で満開の時期も遅くなっていたようです。案内をしてくれたお爺さんも今年は花が多いと言っていました。白や薄紫、赤味をおびなものなど、微妙に違う大きな花が杉林に差し込む木漏れ日を浴びていました。
咲き乱れる雪割草に目を奪われながら急な坂道を登って行くと雑木林の尾根道になります。桜尾根コースを登ってきた人も合わせた登山道は、数珠つなぎを造りながら山頂へと登って行きます。明るい斜面にはカタクリの群生も広がり、大きく広がる群生の中に目を落とすと真っ白なカタクリも見付けることができました。
やがて右手から灯台コースの道を合わせると角田山の肩です。緩やかになった登山道には木道も敷かれていますが、泥に覆われたぬかるんだ道が続いています。長靴で登っている人はこの山に登り慣れている人のようで、むしろ登山靴よりは歩きやすいと言っていました。
たどり着いた山頂は木立に囲まれた広い草原で巻ハイキングクラブの山小屋も建っていました。好天に恵まれた雪割草の最盛期とあって、たくさんの人が次から次へと山頂へ登ってきます。家族連れのほかにも初老のグループ、会社の同僚なのか中年のパーティも結構多いようでした。
帰りは灯台コースをたどり角田浜に戻ることにします。次から次へと登ってくるハイカーで渋滞気味の登山道は、泥でぬかるみとても滑りやすくなっています。道端に目を落とすと明るい雑木林の尾根道に薄紅色のカタクリが風に揺れていました。
緩やかに下って行く登山道は小さく登り返し梨の木平のピークへ。ここは目の前に日本海が広がるところで、白く濁った空の下には大きな佐渡の島影が霞んでいます。ここには大きな梨の木があったようですが、何者かに伐採されたということでネットで話題になっていました。斜面の灌木は広い範囲で伐採され山肌が露わになっています。目の前の視界が開けることはありがたいものですが自然を守る上では・・・。今年登った山でも奥武蔵野の大持山や奥多摩の臼杵山や市道山の斜面、数年前にテレビなどでも紹介されていましたが静岡の山伏でも笹原の先にそびえる杉の木な何者かに伐採されたニュースが伝えられていたのが記憶に残っています。
ここからは角田崎の灯台を目指した急な坂道を下って行きます。しばらく急な階段を下って行くと登山道は露岩に覆われた細い尾根道を小さく登り返すようになります。左手の海岸線は越後七浦の海岸線で白い波が砕ける岩穴は判官船隠しと呼ばれるところとか。義経伝説はこのような所にも残っているようです。
白い角田崎の灯台を巻くように階段を下ると角田浜の波打ち際にたどりつきました。ここはまさに海抜ゼロメートル。海の近くから登る山は幾つかありますが、波打ち際から山頂に向かうコースはあまり歩いた記憶はありませんでした。
角田山は雪割草の咲く山として知られています。日本海側に咲く雪割草はオオミスミソウ。その大きな葉の形から名付けられたのでしょうか。角田山のほかにも弥彦山などにも大きな群生があると言います。