守門岳は、大岳、青雲岳、袴岳の3つの頂を持つ山です。その最高峰は袴岳、普通はその最高峰をして守門岳と呼んでいます。登山道は二分口コース、大原コース、大白川コースなどが開かれています。大岳の頂上には守門大明神が祀られています。
また守門岳は野鳥の宝庫で、守門の語源は、野鳥が巣守りをする山、スモリ山から変わったものと言われています。今回は比較的簡単に山頂に立てるという保久礼コースを利用して山頂を目指すことにします。
旧守門村から人気の少ない集落の中を登って行くと二分口登山口です。さらに細くなった林道を登って行くと保久礼小屋手前の駐車場にたどり着きました。すでに数台の車が停まっていました。
駐車場から小さく下ると保久礼小屋です。水場のわきに立つ古びた山小屋は営業をしていないようでドアは閉まっていました。ここから階段の登りが始まります。明るい雑木林の中を登って行く道は木々が日の光を遮ってくれるものの、今日も汗に悩まされながらの登りになりそうです。
しばらく登った所がキビタキ清水です。小さな沢に冷たい清水が沸くところです。さらにひと登りするとキビタキ小屋への分岐がありました。緩やかに登って行く道はやがて第2展望台にたどり着きました。目の前の視界が開け長岡市街を見渡すことができます。しかし白く濁った空の下では展望も今一つです。
登山道は明るくなった稜線を緩やかに登って行きます。不動平を超えると、ひと登りで広く開けた大岳の山頂にたどり着きました。守門大明神の石祠が祀られた山頂には小さな鐘が吊るされていました。
大岳の山頂で一休みしたのち、守門岳を目指すことにします。大岳の肩から眺めると長い稜線の真ん中に守門岳の山頂がそびえていました。この付近は夏の野山を彩る高茎草原のお花畑になっているようです。目立つ花はオニアザミ、斜面の中には咲き残ったニッコウキスゲがオレンジ色の花を風に揺らせていました。
登山道は一度鞍部に向かって下って行きます。およそ100mくらいでしょうがかなり急な下りです。たどり着いた鞍部は網張りと言われるところで、左手の硫黄沢に向かい踏み後が続いているようです。
鞍部からは背の低い灌木の中を登り返すことになります。やがて視界が広がるようになると左手から二分口からの道を合わせる小さな分岐点にたどり着きました。その先の開けた草はらに腰を下ろし小休止です。白く濁った空の下に広がる視界はあまり期待できないものの目の前に頭を上げるのは粟ヶ岳、守門岳から連なる稜線の上に烏帽子山の急な頂がそびえていました。
展望を楽しんだのち守門岳を目指して明るい稜線を登って行きます。木道が続く草原の中の広場と言ったところが青雲岳、木道わきには中年のパーティが昼食の最中でした。
木道は守門岳の山頂へと緩やかに登って行きます。たどり着いた広い山頂には小さな鐘と標柱が建っています。360度の展望が広がるという山頂も曇り空の下では遠望も期待できません。目の前には昨日登った浅草岳。その奥には奥只見から会津の山々が霞んでいるようですが、白い空に溶け込み良く見えませんでした。
山頂で展望を楽しみながらひと時を過ごしたのち、保久礼小屋へ戻ることにします。大岳への登り返しは疲れた足にはかなりきついい急坂です。大岳の山頂で一息を入れたのち保久礼小屋へと緩やかに下って行きます。石のゴロゴロと続く道にそろそろあき始めるころ、保久礼小屋にたどり着きました。
小屋の前に広場には何処かの大学の山岳会でしょうか。数人の若者が大きなテントを広げていました。山の上までテントを持ち上げるのは大変でしょうが、登山口でのキャンプであれば気楽なものかもしれません。
日本有数の大雪庇を持つ山は花に恵まれた山です。大岳から守門岳へと続く稜線はヒメサユリのほか初夏にはニッコウキスゲの咲く稜線と言います。
すでにこの時期、ニッコウキスゲもその盛りを過ぎようとしていましたが斜面のあちことに黄色い花が咲いていました。またこの山には浅草岳でも咲いていたノギランが咲いていました。白い花が穂のように咲いている様はなかなか綺麗なものです。