乾徳山登山口9:00-扇平10:10/25-1,870m付近10:55/11:05-乾徳山11:50/12:25-高原ヒュッテ13:55/14:10-乾徳山登山口14:50
秩父山地の前衛に位置する乾徳山は山頂に大きな岩場を持つ変化に富んだ山です。恵林寺を開いた夢想国師が修業した山とも伝えられています。
ガイドブックには徳和から登るコースが紹介されていますが、大平山牧場近くの登山口から登ると比較的容易に山頂を踏むことができます。
たどり着いた大平山牧場の駐車場から林道を登って行くと乾徳山登山口の道標が建っています。近くに見つけた駐車スペースに車を停め山頂を目指すことにします。
後から登って来たタクシーはさらに林道を登って行きます。少し林道は荒れているようですが高原ヒュッテ近くまで車で入ることができるようです。
秋の気配が漂い始めている雑木林の急坂を登って行きます。林道を横切りながら登る急な坂道はふみ跡が薄いところもあります。
しばらく登ると登山道は雑木林の尾根道を登って行くようになります。木立の間から視界が開けるところもありますが濁った空の下からは塩山の街並みが見えるだけでした。
小さな岩場を巻くように登って行く尾根道はやがて扇平にたどり着きます。広く開けたカヤトの草原の上にはこれから登る乾徳山の稜線がそびえています。登山道の脇の月見岩からは雲を被った御坂の稜線の上に富士山が頭を出していました。
ここは徳和から国師ヶ原をたどり登ってくる道を合わせるところです。久しぶりの好天のためななのか徳和側から登ってくるハイカーも多いようです。
月見岩の傍で小休止、草原はすでにススキの穂に覆われ秋の気配が辺りを包み始めています。草原に目を落とすとウメバチソウやアキノキリンソウなどの花を見付けることができます。
扇平の外れには御手洗石があります。ちょうど手洗い鉢のように小さなくぼみに水が溜まっています。ここからは樹林帯の中の岩交じりの登りです。大きな岩を回り込みながら登って行くと髭剃り岩、左手が切れ落ちた岩を回り込みながら岩場を越えるとその先に2段になったカミナリ岩の鎖場が現れます。
足がかりもありそれほど急な鎖場ではないもののやはり鎖のお世話にはならざるを得ないところです。雨乞い岩を越え明るくなり始めた樹林帯を登って行くと山頂直下の鳳岩にたどり着きました。
高さな20mほどか、鎖を頼りに急な一枚岩を登るところです。右手には梯子がかけられた巻道をもあります。
たどり着いた狭い岩場の上の山頂は視界が開けるところです。しかし曇りがちな空の下では先ほど見えていた富士山も見付けることはできませんでした。
狭い山頂では食事を楽しむこともままなりません。山頂の先の小広い岩場に向かい昼食にしました。
帰りは原生林迂回新道を下ることにします。コメツガの林の中をしばらく進むと迂回新道をの分岐点です。まっすぐ進む道は黒金山へ、その先は北奥千丈岳から下ってくる石楠花新道に続いていると言います。
原生林迂回新道はコメツガやシラビソの林の中を下って行きます。岩交じりの急坂は山頂の岩峰を回り込むように下って行きます。途中に張られたトラロープがなければ間違って沢に踏み込みそうな荒れた道が続いています。
やがて傾斜も緩やかになってくるとシラカバなどの広葉樹の目立つ雑木林の中を下るようになります。しばらく下ると改修された高原ヒュッテの前にたどり着きました。
避難小屋ともなっている高原ヒュッテは20人ほどが泊まれそうなところです。ヒュッテの前の広場はテントも張れそうですが近くに水場が無いのかもしれません。
ここからは林道をたどりながら車を停めた登山口に戻ることにします。途中には関東富士見百景にも選ばれた三富富士見百景がありますが曇りがちの空の下では富士山を見付けることはできませんでした。振り返ると乾徳山の岩場がそびえていました。