支笏湖を取り巻く外輪山の一角に、NTTの無線中継アンテナを頭に載せた紋別岳があります。その保守のため舗装道路が山頂まで続いています。残念ながら登山道は開削されていないため、この舗装道路を使わざるを得ないものの、山頂からの展望はそれを差し引いても余りあるものがあります。
札幌から国道453号線で支笏湖へ。車窓を過ぎてゆく木々は赤や黄色に色付き、今この周辺も紅葉の真っ最中です。ポロピナイを過た支笏湖の湖畔も紅葉の真っ最中。朝夕の冷え込みが少ないため今年の紅葉は今ひとつと言いながら、なかなか見事な色付きです。
紋別岳の登山口にはすでに数台の車が停まっています。目の前のゲートには鍵がかかり関係者以外立ち入り禁止の標識が建っているものの、かなり多くのハイカーが山頂を目指しているようです。しばらくは赤や黄色に彩られた雑木林の中を登る急な坂道が続いています。
カーブを繰り返しながら高度を上げていくと、舗装道路は明るい稜線の上を登る道になります。左手には大きな支笏湖と旅館街。その上の小さな膨らみはモラップ山。さらにその奥には大きなドームを頭に載せた樽前山と風不死岳。赤や黄色の紅葉に彩られまさに絵になりそうな景色です。右手には遠く苫小牧の町並みと太平洋が霞んでいました。
山頂の無線アンテナが近づいてくると、舗装道路は山頂直下を回り込むように登って行きます。目の前には支笏湖を取り巻く外輪山がなだらかな笹原となって続いています。大きくそびえるのは逆光を浴びた恵庭岳。山頂付近には薄っすらと雪が積もっているようです。
たどり着いた山頂にはNTTの無線アンテナが建っています。今日は工事の最中のようで、トラックやシャベルカーが忙しそうに土を運んでいました。山頂からの展望はまさに絵になりそうな景色です。目の前に広がる支笏湖とその上にそびえる樽前山と風不死岳。黒いシルエットとなって連なる山はホロホロ山や徳舜瞥岳などの山々です。この展望を楽しみながら遅い昼食としました。
山頂での展望を楽しんだ後、舗装道路を登山口へと下っていくことにします。2時を過ぎたにもかかわらず数組のハイカーが山頂を目指して登ってきます。歩行時間が短いためか舗装道路の気楽さなのか、あまり山に登ったことのない若者連れも多いようです。