1909年(明治42年)の噴火により、巨大な熔岩ドームが形成された樽前山は三重火山として有名な山です。今も溶岩ドームを中心として噴気活動が続いているため、熔岩ドームの登山は禁止されています。このため外輪山の最高点である東山が実質的な山頂。七合目の樽前ヒュッテから1時間にも満たない山は、家族連れを中心としたハイキングの山として、たくさんの人が訪れています。
また、1,000メートルを僅かに越える道央の山としては高山植物も比較的多く、登山道には斜面をピンクに染めるコケモモの群生地。イワブクロの別名タルマエソウはこの山にちなんで名付けられた花です。
札幌から国道453号線をたどり支笏湖へ。モラップから針葉樹の林の中に続く山道をしばらく登ると、七合目の駐車場にたどり着きました。広い駐車場もたくさんの車で込み合っていました。
駐車場脇の登山口で登山者名簿に名前を書いてから、明るいミヤマハンノキの林の中を緩やかに登り始めます。ちょうど夏山の花が咲き終わる時期のようで、あまり目立った花も見つかりません。
しばらく登ると展望も開け、火山特有の赤茶けた砂礫の道を登って行くことになります。振り返ると低い雲の下に支笏湖が青い水をたたえていました。8月も中旬になったと言いながら、やはり低い山は暑いものです。
単調な登山道にひと汗を流すと、やがて外輪山の一角にたどり着きます。ここから道を右に。強い風が吹き抜ける稜線をひと登りすると、実質の山頂である東山の頂にたどり着きました。今、樽前山は火山活動が活発化しているということで、火口原は立ち入り禁止になっています。もちろん、中央火口丘のそばにある噴気口に立ち寄ることも出来ません。この風の中では、山頂で昼食を取る気にもなりません。今日はおとなしく登山口に戻ることとします。