赤城山は榛名山や妙義山とともに上毛三山として古くから親しまれた山です。また深田久弥氏の日本百名山の一つにも数えられている秀峰です。広い裾野を広げるこの山は複式火山で山頂部は黒檜山、駒ガ岳、長七郎、鈴ガ岳、荒山、鍋割山などの山々からなり、赤城山の名称はその総称です。また青く水を湛えた大沼、小沼の火山湖や覚満渕といわれる高層湿原など多くの行楽客で賑わう観光地でもあります。
関越自動車道路の渋川伊香保インターから赤城有料道路を大洞へ。たどり着いた大洞にはたくさんの土産物屋が建ち並んでいました。ここの駐車場に車を停め、湖畔の舗装道路を黒檜山の登山口へと向かうことにします。
大沼に突き出した小鳥ガ島には志賀直哉の文学碑と赤い屋根をした赤城神社が建っています。小さな社殿に参拝をした後、湖畔の黒檜山の登山口へ。ここからは雑木林の中の急登が待っています。ブナやナラなどの雑木林は紅葉が始まり、赤く色付いた紅葉が目を楽しませてくれます。しばらく急な坂道を登っていくと右手の視界が開けた猫岩。すっかり晴れ上がった秋空に青い水をたたえた大沼。湖面をモーターボートが白い痕跡を残して走っていました。
猫岩からは、再び急な登りに汗を流します。やがて登山道はササ原の緩やかな稜線に飛び出しました。目指す黒檜山の山頂はこの稜線を左に進んだところにあります。山頂からの展望は思いのほか素晴らしく、正面には日光の山々、右手は雲に霞んでいる足尾の山々でしょうか。また左手には雲の上に榛名山が顔を出していました。
黒檜山の山頂で昼食の後、稜線を戻ると南の頂です。御黒桧大神の石碑や鳥居が建っていました。ここからは急な下りを大ダルミへと下って行きます。大ダルミから潅木の中をひと登り。ひっそりとした駒ヶ岳の山頂は東側の視界が開け、これから下る大洞や大沼が手にとるように眺められます。残念ながら前橋の町並みは曇の下に隠れその姿を見せてくれません。
駒ヶ岳からは、稜線上の良く整備された登山道を下って行きます。やがて喧噪が近づいてくると車を停めた大洞の駐車場です。