那須岳は日本百名山にも選ばれた山です。茶臼岳、朝日岳、三本槍岳などの峰々からなる火山の山で、茶臼岳は最後に噴火したことから今も白い噴煙を上げている山です。山頂近くまでロープウェイで登ることが出来ることから、気楽に山頂に立てる山として何時もたくさんのハイカーでにぎわう山です。今日は久しぶりに孫たちを連れての山行です。
東北自動車道の西那須インターで一般道に降り、那須の山麓に広がる牧場やペンションなどの中を走っていきます。那須温泉や殺生石など観光地を通り抜け、緩やかに高度を上げて行くと茶臼岳ロープウェイの山麓駅です。平日にもかかわらずロープウェイの駐車場は長い駐車待ちの行列が出来ていました。
大きなロープウェイは5分ほどで我々を山頂駅へと運んでくれました。たどり着いた山頂駅は湧きあがるガスの中。下界の30度を超える暑さが嘘のようで、肌寒ささえも感じそうです。たくさんのハイカーに交じり石だらけの登山道を登っていきます。幼稚園児を連れた家族連れなどのほか、サンダル履きの観光客も山頂を目指しているようです。
灰色の火山灰に覆われた火山の山と言うこともあって、茶臼岳は花に恵まれた山ではありません。それでも岩陰にはウラジロダテが黄色の花を付けています。マルバシモツケも咲くようですがすでに花柄が残っているだけです。白いウドはハクサンボウフウでしょうか。花の種類はあまり多くありません。
高度を上げるにつれ登山道は積み重なる岩の間を登って行く道になります。子どもにとってはこのような道のほうが楽しいようです。やがて傾斜も緩やかになると山頂の一角。右手に峰ノ茶屋へと下って行く道を分けると目指す山頂は目の前です。
山頂には那須神社の小さな石祠が祭られています。先ほどまでは雲に覆われた登山道を登ってきましたが、山頂の西側は青空が顔を出しています。茶臼岳が冷たい空気と暖かい空気の境目となっているようで、山頂の東側は巻き上がる雲の中、西側は真っ青な青空が広がっていました。
広く開けた火口原で昼食の後、峰ノ茶屋へと下って行くことにします。ここから峰ノ茶屋への下りも、岩に覆われた登山道です。岩陰にはガンコウランが黒い実を付けていました。
たどり着いた峰ノ茶屋で小休止した後、茶臼岳の山腹を巻くように峠ノ茶屋へと下っていきます。途中、道端にはエゾリンドウが秋の訪れを告げ始めていました。
峠ノ茶屋が近付くと灌木の中を下る道になります。この付近になると岩だらけの山頂と変わり花の種類も多くなります。道端にはノリウツギやゴマナ、長いブラシのような花を付けたテンニンソウも咲いていました。