相模湖の南に位置する石砂山は石老山から続く東海自然歩道の小さな頂で藤野15名山のひとつにも数えられています。山々が若葉色の化粧に包まれるこの時期、ギフチョウを目当てにたくさんの人が訪れるところです。
藤野周辺の山々は春の淡い緑色に包まれていました。春の霞に包まれた芽ぶきとその中に咲くサクラ、まさにこの山域は今が春本番でした。
石砂山駐車場8:20-石砂山9:25/50-石砂山駐車場10:45
国道16号線から一般道を乗継ぎ石老山の近くの篠原の集落へ。NPO法人篠原の里の前にある広い駐車場はすでに数台の車が止ます。ギフチョウを目当てに訪れたマイクロバスの一行も山頂を目指していました。
東海自然歩道の道標に導かれながら篠原の集落の中を登山口へ。道端にはギフチョウを目当てにしているのか大型の望遠レンズを構えた人が数人、ミツバツツジの斜面にレンズを向けていました。
登山道は小さな橋を渡ったところから始まります。この山には山ヒルが出るようで登山口にはヒル避けのスプレーが置いてあります。
登山道は暗い樹林帯の中を登って行きます。しばらく登ると芽吹き始めた雑木林の尾根道を登るようになります。タチツボスミレのほかヒトリシズカ、ナガバノスミレサイシンなどが春の訪れを教えてくれる登りです。
しばらく登ると山頂直下の急坂です。丸太の階段が整備されているもののなかなか厳しい登りが続いています。
たどり着いた山頂からは目の前に大きな黍殻山、雲に隠れた稜線の中には蛭ヶ岳の山頂が隠れています。山頂広場にはたくさんの人が休息中です。マイクロバスの一行は東海自然歩道をたどり伏島田へと向かうようです。
ベンチで一休みしていると目の前にギフチョウが飛んできました。雲が日差しを隠し気温が下がったためか近づいても飛び立とうとしません。コンデジでも春の女神のクローズアップをとることが出来ました。
ギフチョウはアゲハチョウの仲間です。日本には信州を中心とするギフチョウと関東以北を中心とするヒメギフチョウが生息しています。関東では石砂山など丹沢の周辺がギフチョウの北限と言われています。
ギフチョウの幼虫はカンアオイを食草としています。またヒメギフチョウはウスバサイシンを食草としています。石砂山にはカントウカンアオイがあることから関東で唯一ギフチョウが生育しているところと言います。