観音平-(0h55m)-1,800m付近-(0h10m)-雲海-(0h55m)-押手川-(1h00m)-2,230m付近-(1h05m)-青年小屋(昼食、テン泊)
歩行時間:4h05m、歩行距離:3.8km、累積標高差:+839m、-26m
青年小屋-(0h35m)-のろし場-(1h10m)-権現岳-(0h05m)-権現岳分岐-(1h25m)-青年小屋(昼食・テント撤収)-(1h20m)-押手川-(0h45m)-雲海-(0h45m)-観音平
行時間:6h05m、歩行距離:6.4km、累積標高差:+384m、-1197m
権現岳は八ヶ岳の南端に位置する岩峰です。山頂からは赤岳をはじめとし八ヶ岳の頂を一望する展望の頂です。周辺には権現小屋や青年小屋などの山小屋も整備され、観音平から山頂を目指すハイカーに人気の山です。
中央自動車道の小淵沢インターから別荘などが点在する道路を登って行くと観音平の駐車場にたどり着きました。広い駐車場も日曜日ということかたくさんの車で溢れています。ようやく見付けた道路わきの駐車スペースに車を停め山頂を目指すことにしました。
観音平の登山口からは遊歩道のような道が始まります。ミルク色のガスに包まれる登山道は日差しもなく標高も1600mを越えていることから、暑さの時期にも比較的歩きやすい登りです。
やがて大きな岩も目立つようになった登山道は雲海にたどり着きました。ここは展望台コースから登ってくる道を合わせるところです。
徐々に急になって行く登山道は押手川にたどり着きました。針葉樹の林に包まれた広場というところで編笠山に登る道と巻き道を分ける分岐にもなっています。
押手川で一休みした後、右手の巻き道をたどり青年小屋を目指すことにしました。大きな岩の間や桟道などもありますが比較的歩きやすい登りです。押手川から5分ほどのところに展望台がありましたが白いガスの中に展望は期待すべくもありません。
やはてシラビソの梢に先に編笠山の岩がちな稜線が見え隠れするようになると、登山道は大きな石や水溜りが続く歩き難い道に変わります。今朝も雨が降っていたようで登山靴も泥だらけになってしまいました。
青年小屋へ20分と書かれた標柱を過ぎるとコメツガの林の中の緩やかな登り、視界が広がると目の前に青年小屋の大きな建物が見えてきました。大きな提灯には「遠い飲み食い屋」、若い女性が小屋番をしているようですが家庭的な雰囲気の山小屋のようです。
テン場は小屋の裏の広場にあります。20張りと言いますがかなり広い感じの良いテン場です。有料のトイレも水洗、乙女の水という水場はテン場から4分ほどですが冷たい水で水量も豊富です。
朝起きると雲ひとつない青空。青年小屋のテラスからは雲海の上に富士山の頂を見付けることも出来ます。
朝食ののちサブザックを背負いコメツガの樹林帯を登って行きます。急な登りにひと汗をかき始めると稜線上の小さなコブ、のろし場にたどり着きました。目の前には切り立ったキボシの岩峰、その山肌を登って行く登山道を目で追いかけると岩峰の奥に権現岳の山頂がそびえています。
振り返ると低くなった編笠山の頂、雲海の上には南アルプス、中央アルプスの稜線が顔を出しています。霞む稜線は御嶽山と乗鞍岳、その右には奥穂高や槍の穂先も見付けることが出来ました。
ギボシの岩峰へは急な岩の斜面登って行きます。斜面をトラバースするところには鎖が張られています。適当に足場もありあまり高度感もなく登りやすい鎖場です。
3か所ほどの鎖場に小さな緊張を楽しみながらキボシの山頂を巻くと稜線にたどり着きました。目の前には権現小屋、その先には権現岳の岩峰が小さく頭を持ち上げています。左手には雲を巻き上げる稜線上に縦走路が続いていました。
権現小屋の脇を小さく登ると縦走路の分岐点。右手の稜線をたどると権現岳です。見上げる岩塊は目の前が大きき切れ落ち、権現岳の山頂標識と錆びついた鉄剣が立っていました。
帰りは再び鎖場をたどり青年小屋に戻ります。初老の夫婦連れや我々と同じようなパーティが山頂を目指しています。青年小屋から山頂を往復する人もいますが三ツ頭をたどり観音平、天女山に下る人も多いようです。
青年小屋にたどり着いたのは10時過ぎ、テン場で昼食ののち観音平へ下ることにしました。
ガイドブックでは権現岳は急な岩場と紹介されていましたがあまりきつい岩場でなかったのが実感です。危険なところには鎖も整備され岩にはステップなども切られています。でも雨の後などには気を付けなければならないところでしょう。
観音平から青年小屋へと登って行く樹林帯の登山道にはあまり目立つ花を見付けることができません。それでも道端にはママコナやミヤマアキノキリンソウなどの花を見付けることが出来ます。すでに山は秋の気配が近付いているようでタカネヒゴダイ、笹の中にはミヤマモジズリのピンクの花がひっそりと咲いていました。
ギボシへと登って行く岩場の道にはキオンやヒメシャジン、イブキジャコウソウなどの花が咲くところです。トリカブトやミヤマアキノキリンソウ、トウヤクリンドウなど山は秋の花へとその主役を変えつつあるようです。すでに霜が降ったのかオヤマノリンドウの蕾は茶色に霜枯れしているようでした。