桜平登山口8:05-(0h35m)-夏沢鉱泉8:40/50-(0h55m)-オーレン小屋9:45/10:10-(0h30m)-夏沢峠10:40/45-(0h50m)-2650m付近11:35/45-(0h45m)-硫黄岳三角点手前12:30-(0h10m)-硫黄岳12:40/13:15-(0h30m)-硫黄岳山荘13:45-(0h30m)-硫黄岳14:15/40-(1h00m)-オーレン小屋15:40/50-(0h35m)-夏沢鉱泉16:25/35-(0h15m)-桜平登山口16:50
桜平への山道はかなり荒れている道です。普通乗用車ではお腹をこすりそうな道を登って行くとシラビソ林の中の登山口にたどり着きました。
登山口にはゲートがあります。山小屋の車はここから先も登って行くようですが荒れた道は4WD車でも厳しそうな道です。下ってきた若い女性はオーレン小屋のボッカをしているとか。あまり重くないと言いていましたがそれでも10kgほどは担ぐと言います。なにより足腰が丈夫なようで走るように下って行きました。
前日の雨で白い水しぶきをあげる流れを見ながら山道を登って行くと夏沢鉱泉の大きな建物がガスの中に浮かんできました。小屋の前には山頂の天気と今見ることのできる高山植物などが紹介されています。
夏沢鉱泉からも荒れた登山道が続いています。途中には登山道に土砂が崩れ出しているところもあります。シラビソの林の中にミツバオウレンの花が見られるようになると、緩やかになった登山道はオーレン小屋にたどり着きました。
ベンチの置かれた小屋の前で小休止、小屋の伯父さんでしょうか登山道などについて話をしてくれました。夏沢峠から硫黄岳への稜線は強い風の吹き抜けるところのようですが、展望も良くお勧めのコースと言います。
オーレン小屋からは緩やかになった登山道を登って行きます。シラビソの梢の先に青空が広がってくると夏沢峠です。発電用の風車が並ぶ峠にはヒュッテ夏沢とやまびこ荘の2つの山小屋が建っていました。
ここからはシラビソの林の中を緩やかに登って行きます。左手が大きく崩壊した登山道はやがて明るい稜線を登って行くようになります。急な登りにはイワウメやツガザクラ、ジムカデ、ミヤマシオガマなどの花が咲いています。花の時期は過ぎているようですがキバナシャクナゲの花も見付けることが出来ました。
ジグザグに登って行く登山道は左手が大きく切れ落ちた火口壁の脇を登って行きます。ここは100万年前の水蒸気爆発による爆裂火口で、山頂から火口低までは標高差550mほどある絶壁と言います。
ケルンに沿って登って行く登山道は広く開けた山頂にたどり着きました。山頂標識の傍には小さな避難小屋があります。雨風の激しい時などに数人がまさに避難できると言ったところです。
硫黄岳の三角点は火口壁の渕を東側にしばらく進んだ所にあります。この火口壁は崩壊し続けているようで、登山道わきにも大きな亀裂が入っています。ロープが張られた登山道は三角点の手前で通行止めになっていました。
昼食の後、硫黄岳山荘まで足を延ばすことにしました。地形図上では硫黄岳石室と表示されていますが立派な小屋が建っています。この周辺はコマクサやウルップソウの群生地で、強い風が吹き抜ける砂礫地にコマクサがピンクの花を揺らしています。ウルップソウは花の時期を過ぎようとしているようで、枯れかけた花が目立っていました。
登り返した硫黄岳からは赤岩ノ頭を通りオーレン小屋へ下ることにします。先ほどまではガスに包まれていた横岳の稜線が顔を出し始めています。その右肩には垂直に切れ立つを大同心の岩壁がそびえています。
山頂にはジャージ姿の中学生の一団が登ってきました。近くの学校の夏山登山で総勢140名ほど、今日はオーレン小屋に泊ると言います。今朝ほど出合ったボッカの女性はこのための食材を担ぎあげていたのでしょう。
山頂直下の小さな岩場を下ると程なく赤岩ノ頭の分岐です。ここからは雑木林の中をオーレン小屋へと下りました。
オーレン小屋で一休みしているとホツホツ雨が落ちてきます。遠く雷の音も聞こえてきます。とりあえすウィンドブレーカーなどを着こんで桜平の登山口を目指すことにしました。
登山口から夏沢鉱泉、オーレン小屋へと続く樹林帯の登山道にはキバナノコマノツメやズダヤクシュ、オサバグサなどの花を見付けることが出来ます。オーレン小屋の近くにはミツバオーレンが小さな白い花を付けています。
硫黄岳へと登って行く岩屑に覆われた斜面は高山植物の咲くところです。キバナシャクナゲは時期を過ぎていましたがイワウメやジムカデ、真っ赤なミヤマシオガマも咲いていました。
硫黄岳と横岳の鞍部にはコマクサやウルップソウが咲く砂礫地が広がります。またここに咲く黄色いスミレはヤツガタケキスミレとか。北アルプスに咲くクモマスミレに近いスミレのようです。