蛭ヶ岳~日帰りで登る丹沢の最高峰~ 


標高
蛭ヶ岳 1,673m、袖平山 1,431.9m
山域
丹沢
登山日
2010年5月8日(土)
歩程
登り3:30、下り3:10、合計6:40
歩行距離
12.5km
標高差
870m
累積標高差
+1,324m、-1,324m
登山口
釜立林道終点mapon
交通機関
 中央道相模湖ICから16km
登山コース
釜立林道終点~青根分岐~姫次~原小屋跡~蛭ヶ岳~姫次~袖平山~姫次~青根分岐~釜立林道終点
コースmap
蛭ヶ岳 釜立林道コース

 

山行の記録

 コースタイム詳細

釜立林道終点-(0h50m)-1100m付近-(0h35m)-八丁坂ノ頭-(0h15m)-姫次-(0h25m)-原小屋跡-(0h50m)-1,450m付近-(0h35m)-蛭ヶ岳-(1h05m)-原小屋跡-(0h35m)-袖平山-(0h15m)-姫次-(0h30m)-青根分岐-(0h45m)-釜立林道終点

 

 釜立林道終点~青根分岐~姫次

首都圏のすぐ傍にある丹沢の中でもその最深部にある蛭ヶ岳はまだその山頂に足跡を残していない山の一つです。山頂までの歩行時間が長いことから日帰りではなかなかその山頂までたどり着くことが難しく、宮ヶ瀬近くの塩水橋やヤビツ峠の菩提峠から蛭ヶ岳の山頂を目指しましたが、何れも途中の丹沢山で諦めた経験があります。

インターネット上では青根側から東海自然歩道が通る姫次を経て蛭ヶ岳に向かうコースが紹介されていました。歩程は6時間半くらい。青根集落の先、釜立林道の終点まで車を入れることも可能なようです。

登山口は林道終点に建つ森林整備のため付けられた索道用の車庫から。落葉松の若葉が目に優しい明るい登りが始まります。枯れた沢を渡ると、雑木林の中をジグザグに急登する急な坂道が始まります。道端に咲くヒトリシズカなどの春の花を眺めながらの急な登りに汗を流すと、先ほど登山口で見かけた親子連れが追い越して行きました。男の子は小学2年生とか。小学生で蛭ヶ岳に日帰りできるとは頼もしいものです。

急坂の途中でひと息を入れたのち、幾分緩やかになった坂道を登り詰めると左手から東海自然歩道を合わせる分岐にたどり着きました。ここからは丹沢三ッ峰の稜線を眺めながら明るい尾根道を緩やかに登って行きます。東海自然歩道として整備された道は道幅も広く、道標なども良く整備されていました。

右手から道を合わせるところが八丁坂ノ頭です。付近には今を盛りにマメザクラが花を付けています。オオヤマザクラやミネザクラなどに比べ白に近い薄いピンクの花を下向きに付ける桜は別名ハコネザクラとか。今年は桜の季節が長かったとは言いながら、3月の中から色々な桜を楽しむことが出来た年です。

釜立林道の終点の駐車場
登山口は索道用の車庫の脇

急坂の途中でひと息を入れたのち、幾分緩やかになった坂道を登り詰めると左手から東海自然歩道を合わせる分岐にたどり着きました。ここからは丹沢三ッ峰の稜線を眺めながら明るい尾根道を緩やかに登って行きます。東海自然歩道として整備された道は道幅も広く、道標なども良く整備されていました。

右手から道を合わせるところが八丁坂ノ頭です。付近には今を盛りにマメザクラが花を付けています。オオヤマザクラやミネザクラなどに比べ白に近い薄いピンクの花を下向きに付ける桜は別名ハコネザクラとか。今年は桜の季節が長かったとは言いながら、3月の中から色々な桜を楽しむことが出来た年です。

枯れた沢を渡って
ジグザグに登って行く急坂

緩やかに登って行く登山道は姫次にたどり着きます。小さな道標の建つところは東海自然歩道の最高点とか。道標の先は広く開けた展望台になっており、青空の下に白い雪を被った富士山を一望することができます。目の前にそびえる大きな頂は檜洞丸。それから続く稜線を目で追いかけると武田信玄が犬を先頭に越えたと言う犬越道。そこから続く稜線は大室山へと続いていました。目指す蛭ヶ岳の山頂は落葉松の梢の先にそびえていました。

 姫次~原小屋跡~蛭ヶ岳

姫次からは雑木林の中を緩やかに下っていきます。たどり着いた広場は原小屋の跡と呼ばれるところで、芝生のような明るい広場には焚火の跡、近くには水場もあるようです。蛭ヶ岳の周辺はキャンプが禁止されていますがこの付近ではテントを張ることもできるようです。広場で出会った初老の男性は中型の塩銀カメラを持っていました。大きな三脚を広げ目の前のマメザクラにファインダーを向けています。大きなリュックは重さ10キロほどとか。デジカメとは違った写真が撮れるのでしょうが機材を持って登るのも大変そうです。

東海自然歩道の道を合わせ
八丁坂ノ頭
姫次から眺める富士山

山名表示 ※クリックすると山名を表示・非表示します。
姫次から眺める富士山 (PanoramaMakerで作成)

ここからは山頂に向かっての登りが始まります。明るい雑木林の中を登って行く登山道は木の階段が整備されています。途中には谷に向かって崩壊しているところも何カ所か。大室山の稜線でもそうでしたが、崩壊が進む丹沢での登山道整備もまた大変な作業のようです。

道端に咲くキクザキイチゲを眺めながら山頂への急な登りに汗を流します。途中、道端でひと息を入れた後、山頂への階段を登って行きます。崩壊した稜線を巻くようにして急坂に汗を流すと広い蛭ヶ岳の山頂にたどり着きました。

開けた広場は原小屋跡
コバイケイソウが芽吹く尾根道
蛭ヶ岳直下の登山道から眺める檜洞丸

山名表示 ※クリックすると山名を表示・非表示します。
蛭ヶ岳直下から眺める西丹沢の山々 (PanoramaMakerで作成)

山頂はガスに覆われ視界は全くありません。山頂標識の脇には宮標石があります。擦れた石の表面には宮のマークが読み取れます。三角点の標石は蛭ヶ岳山荘の傍に倒れそうに建っていました。

 蛭ヶ岳~姫次~袖平山~青根分岐~釜立林道

山頂には思いのほか多くの人が登ってきます。我々と同じように青根から登ってくる人のほか丹沢山側から登ってくる人。山頂から檜洞丸に縦走しようとしている人もいます。蛭ヶ岳山荘には初老の小屋番のおじさんが一人。宿泊の問い合わせでしょうか、なにやら電話で話をしていました。最近、多くの山荘に太陽電池パネルが設置され電気などの便も良くなったようです。荷揚げもヘリコプターで行っているようで小屋前には荷物用のロープも残っていました。

山頂からは往路をたどり釜立林道の終点に戻ります。まだ山頂を目指し登ってくるハイカーも数人。若いカップルは丹沢でこんなに辛い登りは初めてと言いながら急な登りに息を荒げていました。

山頂へと続く階段の登り
崩壊した尾根の先に蛭ヶ岳の山頂
山頂に建つ蛭ヶ岳山荘
蛭ヶ岳の山頂はガスの中

姫次からは近くの袖平山を往復することにします。東海自然歩道が通るこの稜線は自然歩道歩きを目的として訪れる人もいるようです。また奥多摩でよく見かける山岳マラソンのトレーニングに励む若者もこの稜線を走っているようです。

たどり着いた小さな山頂は視界が開け、目の目には檜洞丸がそびえています。しかしその山頂は雲に覆われ、富士山も雲の中にその姿を隠していました。

姫次に戻った後、なだらかに下る尾根道を青根の分岐まで。振り返る枝先にはマメザクラのピンクに花が我々を見送ってくれています。

袖平山の山頂
袖平山から眺める檜洞丸

ここからは急な坂道を下って行きます。ストックを頼りに坂道を下って行きますが、小石混じりの急な下りはかなり滑りやすいものです。今回の山行で一番きつかったところはこの下りだったようです。

急な下りに足も疲れ始めること、登山口にたどり着きました。すでに駐車場には我々の車のほか1台だけ。この車は朝登るときもあったので小屋番の人の車なのかもしれません。

山で出会った花たち

蛭ヶ岳への登りにはキクザキイチゲが咲いていました。白いキクザキイチゲのほかルリ色をキクザキイチゲもあります。丹沢で最初にルリ色のキクザキイチゲを見たのは大室山に登る稜線の途中で。丹沢ではルリ色のキクザキイチゲは良く見かけるもののようです。

山頂直下で見つけたコザクラはコイワザクラとか。湿地など水気の多いところに咲くハクサンコザクラなどと同じ仲間ですが、岩場などにも多いコザクラと言います。

また雑木林の林床に咲いていた白い花はサバノオの仲間でトウゴクサバノオとか。春の丹沢にもまだまだ知らない花も多いようです。

その他のコース・山行記録
TAG:丹沢主脈
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