野反湖を囲む八間山、三壁山、高沢山などの山々は、標高1,900メートルの中級山岳です。観光地ともなっている野反湖そのものが標高1,500メートルを越えることもあり、比較的簡単にその山頂に立つことができると言います。また野反湖キャンプ場を中心として、バンガローなどが整備され、釣りなどに訪れる人も多いと言われているところです。
富士見峠は野反湖の一角。小さなヒュッテが建っていました。登山道はここから明るい稜線の上を弁天山へと続いています。花の季節にはニッコウキスゲやグンナイフウロウなどのお花畑となる稜線も、今は枯れた草原が広がるだけです。右手に青く水をたたえた野反湖を眺めながら緩やかに登って行くと、程なく弁天山の山頂です。小さな石造りの弁天像が祭られていました。ここからしばらく稜線を進むと根広の分岐点。この道端に腰を下ろし昼食としました。
昼食の後、エビ山を目指し広い稜線を下って行きます。下った広い草原は初夏にはレンゲツツジが咲き乱れるというところ。右手には野尻湖の湖畔を巡る遊歩道に下っていく道が続いています。ここからはエビ山を目指し急な登りが続いています。緩やかな稜線をたどって行った登山道も、山頂直下では再び急な登り坂になります。
たどり着いたエビ山の山頂は広く開けたところです。ここから高沢山や三壁山を回る道が続いていますが、今日は野尻湖の湖畔に下ることとします。山頂からは明るい雑木林の中を湖畔に向かい下って行きます。すでに初雪の便りが訪れたようで、倒木の陰にはわずかに雪が残っていました。やがて登山道は湖畔のキャンプ場の一角にたどり着きます。この時期、まだキャンプを楽しむ家族連れもいるようで、数組の親子が楽しそうに炊事の支度をしていました。
ここから遊歩道のような道を野尻湖ロッジへと歩いて行きます。途中には釣りのポイントもあるようで、ルアーを持った若者が盛んに釣り糸を引いていました。
低くなり始めた日に急かれるように、車を停めた富士見峠へと戻ることにします。ロッジの側の駐車場には野反湖のバス停もあるようですが、最終バスは3時ごろとか。しかたなく湖畔の遊歩道をたどり富士見峠へと戻ることにします。よく整備された遊歩道はチップなどが敷き詰められ、公園の散策路といったところ。花の季節にはツツジなどの花が目を楽しませてくれるのでしょうが、今は冷たい野反湖の湖面を眺めるだけの散策路です。夕日が山の端を染めるころ、車を停めた富士見峠にたどり着きました。