浦山大日堂9:00~660m付近9:45/50~廃屋跡9:55~カラ沢出会い10:35~810m付近10:45/55~1020m付近11:30/35~福寿草群生地12:15/50~1295m付近13:05/25~1315m峰13:45~大ドッケ13:55~1165m付近14:10/15~61号鉄塔15:10/15~地蔵峠15:30~浦山大日堂15:55
ネットの情報で見つけた秘密の花園、秩父の大ドッケ南面にある福寿草の自生地でこの時期は春の光を求めて黄金色の花が斜面を染めるところと言います。
登山口はさくら湖の奥にある浦山大日堂です。ここは秩父十三仏霊場の一つで毎年10月には勇壮な獅子舞が行われているところです。浦山大日堂バス停には数台の車が停まれる駐車スペースがあります。しかし平日とあって停まっている車はありません。
浦山川にかかる橋を渡った民家の庭には真っ赤なアカヤシオが咲いています。初夏を思わせる暖かさで秩父の山里にもミツバツツジほかタチツボスミレやミヤマキケマンなどの春の花が一斉に花を付けているようです。
民家の先で舗装道路を離れ山道を登って行きます。急な斜面に付けられた道は山上集落の生活の道のようで、郵便配達のバイクが狭い道を下ってきました。スーパーなどもない集落での生活はなかなか厳しいものがありそうです。
山道は暗い杉林の中を緩やかに登って行きます。下山道となる61号鉄塔への道を右に分けると右手の斜面に耕作地、電線の先には数件の民家が生活をしているようです。
さらに山道を登って行くと廃屋があります。傍にあった作業小屋は数年前の雪で崩壊したと言います。
ここからも緩やかな山道が続いています。咲はじめたミツバツツジを眺めながら進む狭い道には鹿避けのネットが張られていました。
枯れた沢を越えると左手が崩壊したトラバース道、細いトラロープが張られていましたが少し慎重になるところです。鹿避けの柵に設けられた扉をくぐりながら山道を進むと小さな岩場がありました。その先は苔に覆われた小さな沢で滑りやすいところです。
たどり着いたカラ沢の出会い、沢は二俣に分かれるところで我々は左沢を登って行くことになります。ハシリドコロやネコノメソウの花が咲く沢にはかすかなふみ跡が付いています。1週間ほど前には残雪が残っていいたようで、芽吹き始めた若葉色のハシリドコロも見付けることが出来ます。
沢音を聞きながら沢を登って行きます。やがて水が消えると石がごろごろと重なる歩き難い登りが続きます。振り返ると芽吹きも始まっていない梢の先に大持山の稜線が見え隠れしていました。
徐々に傾斜を増していくカラ沢を詰めていくと沢は右手に折れるように高度を上げていきます。しばらく登りると左手の斜面に緑色の絨毯のように広がる福寿草の群生地、すでに花の最盛期は過ぎているようで緑色の葉が目立つようです。この斜面には遅くまで残雪の水が残っていることがこのような群生地を作っているのでしょう。
ロープなども張られていない群生地には多くの人が踏込んでいるようで幾筋ものふみ跡が付いていました。尾瀬や日光などのように人の手が入ったところと違い自然の中の自生地はその保護が難しいものです。
福寿草を楽しみながら道端で昼食です。ここからは右手の雑木林の斜面を登って行きます。ふみ跡も薄い斜面は思いのほかの急坂です。まっすぐに登って行く急坂に息も上がり足もつりそうになってきました。
たどり着いた稜線はバラモ尾根、大平山から下ってくる道です。ここからは雑木林の中のなだらかな尾根歩きです。目立たないコブは1315mの標高点を持つところで独標とも呼ばれているようです。さらにしばらく下った稜線上の小ピークが大ドッケです。木立に小さな木の標識が打ち付けられていました。
ここからは峠の尾根と呼ばれる明るい雑木林の尾根道です。しばらく落ち葉に覆われた尾根道を下って行くと61号鉄塔にたどり着きました。
視界の先には雲を被った大持山、右手には有間峠とそれから続く稜線に蕎麦粒山見えています。鉄塔で一息を入れたのち暗い杉林を下って行くと登りで使った山道に出会いました。
川俣橋を渡ると車を停めた浦山大日堂は目の前でした。駐車場には大日堂発の最終バスが出発の用意をしていました。
さくら湖は桜の花が満開ですが浦山の春はまだ浅いようです。それでも集落から続く登山道沿いにはスミレやホトケノザ、ミヤマキケマンの花が咲いています。沢沿いにはアブラチャンのほかミツバツツジも咲いていました。
福寿草の群生地へと登って行くカラ沢はハシリドコロとネコノメソウが咲いています。少し時期が過ぎていたようですがハナネコノメソウも見付けることが出来ました。
カラ沢を詰めた斜面は秘密の花園と呼ばれるフクジュソウの群生地です。今年は暖かい日が続いたこともありすでに花の最盛期は過ぎ、緑色の葉が目立つようになっていました。