一ノ鳥居8:40-妻坂峠9:25/35-1025m付近10:05/10-大持山の肩10:45/11:05-大持山11:20-小持山11:50/12:35-シラジクボ上13:15/25-武甲山14:05/25-大杉広場14:55/15:10-一ノ鳥居15:55
奥武蔵は湘南からのアプローチがつらい山域ですが車を利用すると日帰りの山として楽しむことが出来るところです。来週に予定されている圏央道が藤沢まで繋がればアプローチも楽になるでしょう。
たどり着いた一ノ鳥居の駐車場には平日にもかかわらず数台の車が止まっています。武甲山へと登って行くハイカーが多いようですが我々は妻坂峠から大持山へ向かうことにします。
妻坂峠は生川と名郷を結ぶ古い生活の道です。また鎌倉時代の武将畠山重忠とその妻の別れを今に伝える歴史の峠とも言います。
すっかり葉を落とした雑木林の山道をジグザグに登って行くと妻坂峠です。振り返ると榛名の山々の先に白く雪化粧をした谷川の山並みが続いていました。
ここから大持山の肩までの尾根道はこのコースの中でも急な登りの一つです。ミズナラの雑木林は枯葉に覆われ春先にはカタクリの花が咲くところのようです。
大持山の稜線が近付くと埼玉消防署のヘリコプターが低空を飛行しています。遭難事故があったようで鳥首峠の上空でホバリングしたヘリコプターが遭難者を吊り上げているようでした。
ここで展望を楽しんだのち大持山へ、木立の先に奥多摩の稜線が見えています。その山肌は白い雪が見え隠れしていました。
登り始めが早かったようでお昼にはまだ少し早いようです。我々は小持山に向かうことにしました。小さなアップダウンを繰り返す尾根道は小さな岩場が続く変化に富んだところです。
大きな岩峰を回り込むように登ったこぶの先に小持山の山頂があります。明るい山頂からは正面に武甲山、その先には雪化粧をした男体山や女峰山、それから続く稜線は燧ヶ岳や武尊山、さらにその左手には谷川岳の稜線が続いていました。
小持山で昼食をとったのち武甲山へ向かうことにします。登山道はシラジクボに向かい雑木林の尾根道を下って行きます。北斜面のためか枯葉に覆われた急な斜面には氷が張り付き思わず足に力が入ってしまいそうです。
たどり着いたシラジクボからは武甲山への登り返しが始まります。防火帯のような切り開かれた急坂に汗を流すと左手に橋立へ下って行く道が分かれています。山頂直下に祀られた御嶽神社は暗い林をわずかに登ったところにあります。
石灰岩の採石で北側が削り取られた武甲山の山頂は社殿の裏です。フェンスで囲まれた山頂からは大きな展望が広がっています。秩父の街並みの先に御荷鉾山や赤久縄山など神流川流域の山々、その先には浅間山、四阿屋山、岩菅山など上信越国境の山々が白い雪を被っています。
雪を被る白砂山はここから200km離れた頂です。その右には平標山や仙ノ倉岳など谷川岳の山々などの頂も見付けることが出来ました。
第2展望台は山頂の東側にあります。フェンスでその先には行けないようですが山頂直下まで作業用の道路が登ってきているようです。
展望台の近くには三角点があります。三角点の標高は1295.4m。1900年(明治33年)の測量では1336mと記録されていることから石灰石の採掘により山頂が40m以上低くなったのでしょう。
建築資材として石灰石の役割は重要と言いながら、山の自然を後世に守り伝えることは今を生きる我々に課せられた義務なのかもしれません。
山頂からは表参道を下り一ノ鳥居に戻ることにします。暗い杉林の中をジグザグに下って行く登山道には丁目石が建っていました。参道の途中には大きな杉がそびえ立つ大杉広場、さらに下って行くと岩壁に音を立てて落ちる不動滝もありました。
さらに下ると15丁目付近で舗装道路にでました。ここから一ノ鳥居までは思いのほか急な舗装道路歩きでした。