群馬百名山に選ばれた荒神山は渡良瀬川の川岸に小さな頭を持ち上げる山です。栗生山、赤城山とともに黒保根地区を代表する山と言いますが登山の対象としてはあまり登られていない山のようです。
備前楯山からの帰り道、群馬テレビの中継局があると言う林道を登って行くと小さな駐車場がありました。この道は昨年の台風からの復旧が遅れているようで、一般車の通行は禁止と言う案内があります。
駐車場から暗い杉林の舗装道路を登って行きます。送電線に引っかかった倒木により大きく曲がった電信柱など、原発事故の影響なのか東電の復旧工事はあまり進んでいないようです。
しばらく登った広場から杉林の中を登って行くと荒神山の山頂です。視界の利かない山頂には山頂標識と三角点がありました。
手造り広場という草地は小学校の遠足でお弁当でも広げるところでしょうか、古い社の脇には山に登った子供たちの名前が彫られたプレートも掲げられています。
広場の近くにはコンクリート造りの展望台があります。ここからは赤城山や袈裟丸山、稜線の上には男体山の頂も見付けることができる展望の頂です。その山肌は沈み始めた秋の夕日を浴び茜色に輝いています。
低くなった秋の日に急かれるように駐車場に戻ります。途中、白くなった空の下に小さな富士山が頭を出していました。雲取山の左にそびえる頂はここから135km、関東平野の富士山好展望台と言われる大平山が140kmと言いますからかなり遠くの富士山が見えていると言えるようです。