舟石峠11:00-(1h00m)-備前楯山12:00/13:15-(0h45m)-舟石峠14:00
江戸時代に発見された足尾銅山はかつて日本最大の銅山として発展したところです。しかしその反面、足尾鉱毒事件として知られる公害を引き起こし、昭和48年の閉山以降も付近の山肌は煙害による禿山が痛々しい姿を残しています。日光の社山から眺めた緑の無い足尾の山肌が今も記憶に残っています。
山の会の仲間と過ぎゆく紅葉を楽しみに社山の山頂を目指しました。登山口は国民宿舎かじか荘から舟石林道を登った所になります。
晴れてはいるものの気温はかなり冷えているようで日光の山から吹き付ける冷たい風に乗って風花が舞いおりてきます。登山道は明るいカヤトの斜面を緩やかに登って行きます。
ミズナラなど明るい雑木林の尾根道は緩やかに稜線を目指して登って行きます。強い風の吹き抜ける稜線には霜柱が張り付いているものの、南西側の斜面には今を盛りにカエデ紅葉が秋の日を浴びています。今この山は秋と初冬が同居しているようです。
山頂直下の急坂を登ると目の前が開ける備前楯山の山頂です。真っ青に晴れ渡った秋空の下には半月山から社山、黒檜山へと続く稜線が続いています。その先には黒々とそびえる男体山、その頂には僅かに白いも見えているようでした。
振り返ると雪雲の中に袈裟丸山、僅かに紅葉が残っている山肌の上には庚申山、雪雲の中に皇海山の頂があるようですがその姿を見せてくれませんでした。
日溜まりの山頂は思いのほか暖かいようです。今日は山頂でほうとう鍋、それにお汁粉と甘酒で昼食としました。これからの時期、寒い山では温かいものが何よりでしょう。
時計はまだ1時を回ったばかりです。去りがたい展望に別れを告げ登山口の舟石峠に下ることにします。
下山の途中、派手な服装をしたハンターが斜面を登ってきました。聞けば鹿狩りの最中とか。原発事故の影響で関東周辺の野生動物にも放射能が検出され肉の出荷が制限されているようです。鹿や猪の狩猟が解禁されたと言います。ニュースではその影響や高齢化で狩猟をおこなうハンターの数も少なくなったと言います。
時間はまだ2時、歩程2時間を切れる山行では少し歩き足りないようです。帰りには渡良瀬川の傍に小さく頭を上げる荒神山に立ち寄ることにし駐車場を後にしました。