湖畔の宿記念公園-(1h05m)-掃部ヶ岳-(0h55m)-杖の神峠-(0h50m)-湖畔の宿記念公園
榛名山は榛名湖を中心とし相馬山や榛名富士などの山々からなる古い火山で、妙義山、赤城山とともに上毛三山として知られた山です。榛名山の最高峰である掃部ヶ岳は榛名外輪山の一峰で日本200名山にもその名前を連ねています。
湖畔の宿記念公園の駐車場に車を停め登山道へ向かいます。近くには湖畔の宿の歌碑があることから観光バスなども多く訪れるところです。国民宿舎裏から硯岩に登ったのち山頂を目指すコースもあるようですが、今回は直接掃部ヶ岳の山頂を目指すことにします。
遊歩道途中の赤いペンキが塗られた木を目印に踏み跡のような急坂を登り始めます。いきなりの急な登りに額からは汗が噴き出してきます。若葉の色が濃くなり始めた雑木林の中を登って行く道は小さな岩場を越えると国民宿舎から登ってくる道と合流します。ここからは木の階段なども設けられた良く整備された道になります。
ムラサヤシオの花に彩られた明るい稜線を登って行くようになると程なく掃部ヶ岳の山頂にたどり着きました。広く開けた山頂からは緑の森に包まれた外輪山周辺の山並みを見渡すことができます。榛名湖や榛名富士は木立ちに隠れ、その姿を見せてくれないものの目の前にはゴツゴツとした妙義山の岩峰、右手に目を移すと浅間山や浅間隠山。霞みの中に漬け込みそうに頭を上げるのは蓼科山など八ヶ岳の峰々でしょうか。梅雨も近い季節としてはなかなかの眺めを楽しむことができます。
山頂には頭が赤く塗られた宮標石、その傍には地籍図根三角点がありました。図根三角点は4等三角点、図根多角点などとともに地籍調査を行う時設置されるもので、4等三角点は国土地理院が、図根三角点などは市町村が設置するものと言います。いずれにしろ地形を把握する上での基準の点として重要なものです。
掃部ヶ岳の山頂で展望を楽しんだのち杖の神峠に向かうことにしました。山頂を下ると明るい雑木林の稜線歩きが始まります。小さなアップダウンを繰り返しながらたどり着いたコブは西峰と言われるとこで、岩場の上に立つと目の前には青い水をたたえた榛名湖、その先には榛名富士がそびえていました。
やがて登山道は耳岩の基部を巻くようにして杖の神峠の頭へと向かっていきます。たどり着いた杖の神峠の頭付近には宮標石が幾つか並んでいました。ここからは急な下りが始まります。木の根につかまりながら急な坂道を下って行くと小さな石祠と地蔵さまが祀られた杖の神峠です。この峠から掃部ヶ岳を往復する人もいるようで、道端には車が数台停まっていました。
杖の神峠からは長い林道歩きが始まります。左手を見上げると青空の下に今たどってきた稜線がそびえていました。西峰の岩場以外ではあまり感じられませんでしたが思いのほか切り立った岩峰が続く稜線です。