日本百名山の一つに数えられる大菩薩嶺。2000mを超える頂も長兵衛ロッジの建つ上日川峠から登ると軽いハイキングの山です。そろそろ紅葉の便りも関東周辺まで届き始めた時期、子供たちを連れて紅葉を訪ねるハイキングに出かけました。
勝沼インターから一般道に降りると街の中にはブドウ狩りなどの幟がはためいていました。武田氏ゆかりの雲峰寺が建つ裂石から紅葉に包まれた県道を登っていくと、長兵衛ロッジの建つ上日川峠です。平日にもかかわらず駐車場にはたくさんの車が停まっていました。
長兵衛ロッジ脇から唐松の林の中を緩やかに登っていく登山道が始まります。しばらく登ると福ちゃん荘の前にたどり着きました。ここからは砂利の林道を勝縁荘へと登って行きます。天気に恵まれると途中の富士見平から富士山を一望することができるようですが、雲の中にその頂を隠し、我々にはその姿を見せてくれませんでした。
勝縁荘からも砂利の林道が続いています。車の通行は禁止されているようですが介山荘までは荷物などを運ぶ車が行き来しているようです。
たどり着いた大菩薩峠には介山荘が建っています。ここから右手は石丸峠を経て小金沢山へ登る道、正面は小菅村へと下っていく道を分ける峠で、中里介山の長編時代小説大菩薩峠の舞台ともなった所です。往時の峠は今の賽ノ河原付近を通っていたようですが、甲府と武蔵を結ぶ交通の要衝で距離的にも短いことのほか表街道の通行を憚る旅人などもこの峠道を利用していたと言います。
大菩薩峠には絵ハガキなどでも紹介される標柱と頭の欠けたお地蔵さんが建っていました。方位盤の建つ広場の脇に腰をおろして昼食です。
昼食の後は山頂を目指して明るい尾根道を登って行きます。笹に覆われた尾根道には小さな露岩帯もあり、なかなか楽しそうな登りが続いています。
避難小屋の建つ賽ノ河原から小さく登っていくと展望の開けた雷岩にたどり着きました。大菩薩嶺の山頂はここから暗いカラマツの林の中をしばらく進んだところにありますが、今日はこの岩の上が我々にとっての山頂としました。
雷岩の傍で一休みしたのち、唐松新道から福ちゃん荘へと下っていくことにしました。登りではあまり調子が出なかった子供達も、下りでは別人のように元気いっぱいでした。