日本百名山に名前を連ねる雨飾山。今年の夏に登った火打山で山小屋に貼ってあったポスターを見てから気になっていた山の一つです。
インターネットで確認した時は笹ヶ峰から乙見峠を越え小谷温泉へ向かう山道が通行できるようになっていましたが、車のナビは白馬村から小谷温泉を目指すルートを案内してくれます。後で知ったことになりますが、このルートは落石などで通行止めになることが多く、今回も最近になって通行が許可されたようです。
登山口からは小さな湿原に下って行きます。木道が敷かれた湿原には秋の花が咲いていました。
湿原を超えると、登山道は明るい雑木林の中を登って行きます。一緒に登った中年のハイカーは長岡の人で、この山に生えているキノコなどついて説明してくれました。「キノコは気温が19度になると一斉に生えるくる、この山の倒木にはブナタケというキノコが多い・・・。この付近は熊の出没の多いようで姫川の学生が熊に襲われたことがあるなど・・・。」仰々しく、腰に山刀を刺していました。ここの熊はヒグマではないものの山では会いたくないものです。さっそくリックにしまっていた鈴を出してしまいました。
道端で一休みをしたのち、急な坂道にひと汗を流すと稜線の上にたどり着きます。ここからは荒菅沢に向かって小さく下って行くことになります。木の梢が切れると荒菅沢の上に雨飾山が岩峰に覆われたその姿を見せてくれました。まだ紅葉の最盛期には少し早いようですか青空の下に、白い岩壁と赤や黄色に染まった山肌。まさに絵になる景色ということができそうです。
荒菅沢で一休みしたのち、再び急な坂道を登り始めます。途中には固定ロープもありますが真っ直ぐに稜線に向かって登っていく道はなかなか辛いものがあります。左手には荒菅沢に向かって切れ落ちる岩峰。その上には三角形になってそびえる雨飾山の山頂がそびえています。
やがて視界が広がると山頂の肩が見えてきました。振り返ると赤茶けた山肌の焼山がその姿を見せてくれました。小さな梯子の登り、急な岩場を超えると笹平と呼ばれる山頂の肩です。
広く開けた笹平を進むと、梶山へと下っていく分岐点。さらに進んでいくと小さな沼の渕を回りこみ荒菅沢の上にたどり着きました。ここからは山頂に向かっての急な坂道です。岩の角をつかみながら攀じ登るとようやく雨飾山の山頂です。山頂は小さな二つに頂に分かれ、西側の頂には石の祠や石塔、東側の頂には山頂の石祠と三角点が建っています。
この山頂からはさえぎる物のない360度の展望が広がります。西側には午後の白くなった空の下に北アルプスの山々。東側には焼岳、火打山などとあす登頂を予定している黒姫山など。日本海側は巻き上がる雲に覆われ海岸線は見えないものの、まさに360度のパノラマが広がっていました。
山頂で展望を楽しんだのち、登山口へ下っていくことにします。急な坂道は滑りやすいこともあり、あまり気を抜けないものです。途中、荒菅沢でシルエットになってそびえる雨飾山に別れを告げ、車を停めた登山口へ下りました。