森吉山はショウジョウバカマの咲く山としてNHKの新花の百名山にも選ばれた山です。予定では森吉スキー場近くの森吉山荘から山頂を目指そうと思っていましたが、折からの暑さで疲れ気味。目の前に阿仁のゴンドラが運転していると言うことで、安易とは思いながら阿仁から山頂を目指すことにします。
9時前、ゴンドラは山頂駅を目指して登っていきます。ゴンドラで一緒になったのはボランティアの山岳パトロールの人。森吉山の話を色々としてくれました。今年、羅臼、斜里、雌阿寒に行ってきたとか。定年を過ぎてボランティアでパトロールをしているようですが元気なものです。
山頂駅からは明るい稜線を緩やかに登り始めます。ゴンドラで簡単に登れる花の百名山と言うだけあって、階段なども良く整備されています。そのためかこのコースを登る人は、スニーカーにディザックの軽装が多いようです。
しばらく登ると緩やかな稜線をたどる道になります。やがて一ノ越からの道を合わせると石森。木道脇のベンチに腰をおろして小休止です。明るく開けた稜線上の道は日差しをさえぎる木々もないことから、昨日の姫神山以上に暑い山行となりそうです。
ここからはなだらかな木道をたどる道です。道端には小さな池塘も幾つか。しばらくなだらかな木道を登って行くとコメツガの林に差し掛かります。クマよけと言う鐘が木に吊るしてありました。コメツガの林を抜けると阿仁の避難小屋です。冬は数メートルの雪が積もるようで、冬期ははしごを使い2階から出入りするようです。
避難小屋からもなだらかな登山道を山頂へと登っていきます。稚児平からは山人平へと向かう道があるようですが今は通行止め。ここからひと登りすると広く開けた森吉山の山頂です。
ケルンと大きな標柱が建つ山頂からは360度の展望が開けています。空は真青に晴れ渡っていますが山頂からの展望は今一つ。一ノ腰へと続く稜線の先には霞んだ夏雲の先に三角形の岩木山の山頂。振り返ると夏雲の中に岩手山と八幡平、秋田駒ヶ岳が見え隠れしています。山頂では山岳パトロールの人が山の説明をしてくれました。晴れていれば鳥海山、日本海も見渡せると言いますがやはり真夏ではなかなか見る機会に恵まれないのかも知れません。
山頂からしばらく下って行くと山人平。途中にはまだニッコウキスゲの咲いているところもあると言います。しかしこの暑さでは山人平に向かう元気もありません。山頂には小さな子どもを連れた家族連れなど、たくさんのハイカーが登ってきます。「こんなに暑い森吉山は初めて・・・」、東北の山はまさに暑さの真っ最中のようです。
山頂で昼食した後、阿仁ゴンドラを目指して下ることにします。登りに比べ汗をかくことは少ないもののそれでも暑さはこたえます。この日の秋田は最高気温は35度とか。それにしても暑い山行でした。
NHKの花の百名山にショウジョウバカマの咲く山と紹介された森吉山は、なだらかな稜線と池塘などが点在する湿原に恵まれた花の山です。すでにこの時期、夏の花は終わりを向かいようとしていますが登山道には色々な花を見付けることが出来ます。
今登山道に咲く花はハクサンシャジン、それとクモマニガナ、シロバナクモマニガナ、イワオトギリなど。ニッコウキスゲはすでに花の時期を終え、わずかに咲き残った花を見付けることが出来るだけです。
登山道の脇には湿原の花であるイワイチョウやキンコウカが目につきます。タチギボウシやトウゲブキも咲いていました。湿原の中に目を落とすとモウセンゴケが群生しています。白い小さなモウセンゴケの花も見付けることが出来ました。
山頂が近付くと秋の花であるエゾオヤマノリンドウ。しかしまだ蕾を開いたものが幾つかだけ。今この山の季節は夏と秋の中間にあるようです。