奥秩父の稜線が切れる信州峠の周辺には、奥秩父の山々と八ヶ岳の展望を楽しむことができる山があります。横尾山もそのような山の一つで、明るい潅木の稜線からは目に前に八ヶ岳、振り返ると大きな瑞牆山の岩峰を望むことができます。
信州峠の傍らに車を停め、明るい唐松林の中をゆっくりと登り始めます。しばらく登ると樹林帯の中を登る急坂が始まります。露岩が続く登りに息を切らせると、明るく開けたカヤトの台地にたどり着きました。振り返ると目の前には急峻な岩峰をめぐらせた瑞牆山。その右手には山頂に雪を頂いた金峰山がそびえています。さらに右手を眺めるとニセヤツとも言われる金ヶ岳と茅ヶ岳。左手に連なる稜線は天狗岳から男山にかけての岩峰です。
カヤトの台地からは明るい稜線をたどる尾根道になります。コナラなどの潅木に覆われた稜線は露岩の多いところもありますが、歩きやすい尾根道です。しばらく稜線をたどると明るく開けたカヤトの鞍部にたどり着きました。天気がよければここから南アルプスの山々を眺めることができると言いますが、今日は雲に覆われその姿さえ見せてくれません。さらに小さなピークを幾つか越えると横尾山の山頂です。広く開けた山頂は雑木林に覆われ、西側の斜面が開けているものの、沸きあがる雲に包まれ八ヶ岳もその姿を見せてくれません。
山頂で昼食の後、車を停めた信州峠へ戻ることとします。明るい尾根道を下る登山道は心地よい散策路といったところ。ほどなく明るいカヤトの台地にたどり着いてしまいました。ここで瑞牆山と金峰山の展望に別れを告げ、急な雑木林の中を下って行きます。登るときは息を切らせながら登ってきた急坂も、下るときは至って気軽な山道です。しばらくすると車を停めた信州峠にたどり着きました。