南木曽岳避難小屋-(0h35m)-上り下りルート分岐-(0h15m)-喉の滝-(0h30m)-上の鎖場-(0h40m)-南木曽岳山頂-(0h15m)-女岩展望台-(0h25m)-摩利支天-(1h30m)-上り下りルート分岐-(0h25m)-南木曽岳避難小屋
南木曽岳は御嶽山、木曽駒ヶ岳とともに木曽三山に数えられた信仰の山です。山頂に南木曽嶽山大神を祀るものの、木曽御嶽山や木曽駒ヶ岳とは異なり今では信仰で訪れる人は少なくなっているようです。
あららぎキャンプ場からしばらく登った所に駐車場があります。避難小屋の前にも駐車場がありましたがすでに満車。平日にもかかわらず多くの人が山頂を目指しているようです。
避難小屋の傍から自然探勝園の遊歩道を登って行きます。樹林帯中をたどる道は日差しが無いのにもかかわらず、額からはすぐに汗が噴き出してきました。
金時の産湯と伝えられる小さな池を越えると登山口です。登山道は雑木林の林の中を緩やかに登って行きます。小さな沢を越えると上り下りルートの分岐点。右手の道は山頂から下ってくる道、山頂へは左手の道を登って行くことになります。
大きな岩が転がる沢筋を登って行くようになると登山道には朽ちかけた桟道や階段が現れます。金時の岩屋を越えしばらく登ると喉ノ滝の案内板です。目の前の枯れた沢にかかる滝なのでしょうが、この時期は水音さえも聞こえません。
ここからは左手の稜線に向かっての急な登りが始まります。付近一帯はコウヤマキの樹林帯です。スギやヒノキと違い細長い葉を持つコウヤマキは秋篠宮の殿下の長男、秋篠宮悠仁殿下のお印と言います。
稜線を登る登山道も急坂の連続です。鎖が張られた木の階段に息を切らせながら高度を上げていきます。
たどり着いた展望の開ける稜線は1400m付近。目の前には錆びついた鎖が張られた上の鎖場、土砂が崩れ岩場が露出したためか右手には階段の巻き道が続いていました。
階段が終わっても急な登りが続きます。右手にそびえる山肌には大きな岩がそびえています。ガイドブックには兜岩と言われる岩もあるようですが良く見分けられませんでした。
やがて登りも緩やかになってくると山頂は目の前です。大きな岩を越えひと登りすると南木曽岳の山頂にたどり着きました。樹林に覆われた山頂には2等三角点と山頂を示す石柱がありますが展望は全く期待できません。
山頂の先には山岳信仰の歴史を伝える南木曽嶽山大神の石碑が祀られています。石碑の前の大岩は見晴台となっています。小さな梯子で岩の上に立つと木曽御嶽山が夏空の中に霞んでいました。
ここからは笹原の中を女岩展望台へと下って行きます。赤い屋根の避難小屋の先のコブが展望台。視界は大きく開け左に御嶽山、右には木曽駒ヶ岳から空木岳、南駒ヶ岳と続く南アルプスの稜線が広がっていました。
女岩展望台で昼食ののち駐車場へ下ることにします。小さく下り登り返した頂は金時山と呼ばれるところ、振り返ると笹原の先に南木曽岳の山頂が見えていました。樹林帯の中を右に進むと摩利支天と呼ばれる展望台です。霞んだ空の下には融け込むように恵那山が大きなすそ野を広げていました。
ここからは急な下りが始まります。大きな岩の基部を巻いたり、鎖が張られた急な階段、木の根が露出した急坂が続きます。鎖に頼るほどではないものの、気を抜くことが出来そうもない急坂に思いのほか時間がかかってしまいました。
やがて川音が近付き始めると登山道は上り下りコースの分岐点の沢にたどり着きました。登りに比べ下りの時間がかかったのはそのきつさからなのかも知れません。往復5時間の山にしては長い梯子や急な登り下り、なかなか歩き応えのある山ということが実感でした