吾妻山ロッジキャンプ場~(0h40m)~吾妻山~1,100m附近~(0h20m)~烏帽子山~(0h25m)~比婆山(比婆御陵)~(0h45m)~大善原~(0h55m)~吾妻山ロッジキャンプ場
中国山地には日本アルプスようように急峻な岩場や高山植物に覆われたお花畑を持つ山はありません。しかし伯耆大山を始めとして古い歴史を今に伝える山は数多くあるようです。比婆山もそのような山の一つで真偽のほどは別として比婆御陵とも呼ばれる頂は神話に登場するイザナミノミコトの陵墓と伝えられるところです。
また比婆山はヒバゴンという謎の生き物が生息するところです。昭和45年ころから目撃情報が寄せられ一時はマスコミなどでも紹介されていました。
中国自動車道の庄原インターから一般道で吾妻山国民休暇村の駐車場へ。ここは山一つ越えると松江、日本海はもう目の前というところです。
キャンプ場の駐車場からは明るい草原を登って行く登山道が始まります。明日は吾妻山の山開きということでたくさんの人が準備に余念がありません。広い草原の登山口にはテントも建てられているようです。
明るい草原をひと登りした登山道は、緩やかに稜線を登って行きます。道端に目を落とすとアカモノやイワカガミの花が咲いていました。標高1200mほどの頂ですが冬には多くの雪が降るため高山植物が多いようです。
程なくたどり着いた吾妻山の山頂には三角点と展望板が建っています。白く霞んだ空の中には伯耆大山の頂も見えているようです。
吾妻山からは烏帽子山を目指します。登山道は大善原と呼ばれる鞍部に向かって緩やかに下って行きます。標高差はおよそ250m、雑木林を抜けると広く開けた大善原にたどり着きました。左手の林の中にはキャンプ場もあると言います。
大善原からは明るい雑木林の中を登り返すことになります。まっすぐに登って行く登山道は傾斜もきつくなかなか疲れる登りです。やがて比婆山へ900mと印された標柱を右に分けると明るい烏帽子山の山頂にたどり着きました。
なだらかな山頂は登山道の分岐といったところす。目の前の藪の中に三角点がありましたが踏み跡は不明瞭で探すのに苦労を強いられました。
登山道は明るい雑木林の中を小さく下って行きます。県民の森スキー場への道を左に分け緩やかに登り返すと山頂の一角です。ほとんど平らになった雑木林の中を進むと比婆山の山頂にたどり着きました。
庄原市の設置したの案内板には古事記に記載されたイザナミノミコトの陵墓の伝承やイチイの古木についての話しが紹介されています。目の前のイチイの巨木に囲まれた大きな巨岩が陵墓とか。真偽は定かでないものの古代信仰の磐座(いわくら)であったことは確かなようです。
比婆山からは車を停めた吾妻山のキャンプ場に戻ります。烏帽子山の山頂は通らず巻き道をたどり大善原に下りました。
大善原から振り返る比婆山の山肌は若葉色に染まっています。それでも季節が進んでいるようで着実にその濃さを増しているようです。
大善原からも巻き道をたどり吾妻山ロッジに下りました。吾妻山の山裾を巻くようにたどる巻き道は思いのほか時間がかかりました。
標高わずか1200mの山としては高山植物の多い山です。吾妻山への登山道にはイワカガミが咲いています。花の色が白いイワカガミも多いようです。
また烏帽子山の山頂にはミツバツツジが咲いていました。このミツバツツジはダイセンミツバツツジとか。葉の裏や葉柄に毛が多いのが特徴と言いますが関東で見られるミツバツツジとの違いはあまり良く判りませんでした。