玉原レストハウス-(0h50m)-東大セミナーハウス-(0h30m)-送電線下-(0h15m)-尼ヶ禿山-(0h45m)-林道分岐-(0h20m)-トンネル手前登山口-(0h45m)-玉原自然環境センター-(0h10m)-玉原湖レストハウス
尼ヶ禿山は玉原湖の湖畔に小さく頭を持ち上げるブナの山で、上州武尊や谷川岳の好展望台としても知られています。今年の千葉県連のウィークディ山行は尼ヶ禿山と言うことで、その下見を兼ねて残雪の尼ヶ禿山を訪ねました。
レストハウス脇のゲートから舗装道路を玉原湖へ。舗装道路は除雪されていますが道の脇には1m近い雪が積もっています。途中にはブナの水と呼ばれる湧水が勢いよく流れ出していました。まだ雪の積もる林の下から湧き出す水ですが思いのほか冷たくないものです。
玉原湿原近くの玉原自然環境センターは小屋開への最中で、尾瀬高校の生徒がスコップで雪を運んでいました。尾瀬ヶ原でも自然保護に力を入れている学校ですが、ここでも自然保護に頑張っているようです。
まだ冷たい色の水をたたえる玉原湖を左に眺めながら道を進んでいきます。右手の玉原湿原はまだ厚い雪に覆われているようで、玉原湖へと流れ込む川は冷たそうな氷に閉ざされていました。
この時期は夏道と違い登山道は雪に覆われ踏み跡さえも見付け難くなっています。所々に見付ける木の枝などに結ばれたテープが頼りです。
途中から林道を離れ、左手のブナ林の中を登って行きます。しばらく雪の登りをたどると東大のセミナーハウスにたどり着きました。
ここからも木に結ばれたテープを頼りにブナの林の中を登って行きます。積雪は50cmほどでしょうか、明るい春の日を浴びるブナの林は根開けが始まっています。
やがて玉原越えから登ってくる道を右から合わせると送電線の鉄塔下にたどり着きました。ここは7年ほど前にこの山に登った時の記憶にも残っているところです。その時はトンネル近くの登山口から散策路をたどりこの鉄塔へと登ってきたようです。
緩やかに登る尾根道は山頂直下の稜線にたどり着きました。この稜線には小さく雪庇が張りだし切れ落ちた雪崩斜面には大きな木は生えていません。沢の源頭には溶け残ったデフリも残っているようです。
この山頂を見て天が禿げているとして尼ヶ禿山の名前が付いたと聞いたことがありますが確かに頷けるものです。
尼ヶ禿山の山頂には山頂を示す標柱、雪の下にからは三角点の標石も顔を出していました。
山頂からは広い展望を楽しむことができます。左手には谷川岳の岩峰群、木立に隠れていますが一ノ倉沢付近の岩壁が黒々とそびえています。その右手には白毛門の稜線が真っ白に輝いています。その先に小さく頭を出している頂は大源太山でしょうか。
正面には上州武尊の大きな稜線、その稜線を目で追いかけていくと日光白根から皇海山、赤城山へと続く稜線がパノラマとなって続いていました。
帰りは雪の斜面を登山口へ。雪がかなり腐っているようで何度か雪を踏みぬいてしまったり尻もちをついたり。それなりに楽しい春山と言ったところです。
途中、藤原湖へと向かうトンネルまで登山口を確認に行ってきましたが深い雪のため登山道は見つかりません。
春の日を浴びた斜面には残雪の中からフキノトウが顔を出していました。前を歩いていた若者の一団はフキノトウを採りに訪れたようで、斜面のフキノトウは採りつくされていました。それでもわずかに時間でビニール袋一杯の収穫がありました。
ウィークディ山行では尼ヶ禿山から下ったのち玉原湿原をめぐることになるようです。春先には水芭蕉の花が咲く湿原ですがまだ雪で木道も見えない状態です。今年は春先の天候が良くなかったこともあり雪解けは10日ほど遅いようです。この湿原もウィークディ山行の時に雪が解けていないかもしれません。