尼ヶ禿山~禿げたように見える山は武尊山や谷川岳の好展望台~ 


標高
尼ヶ禿山 1,466m
山域
上州・北関東
登山日
2004年5月14日(金)
歩程
登り1:20、下り1:10、合計2:30
歩行距離
7.4km
標高差
248m
累積標高差
378m、-378m
登山口
玉原多目的広場mapon
交通機関
 沼田ICから19km
登山コース
玉原多目的広場 -0:15→ 玉原湿原 -1:10→ 尼ヶ禿山 -1:35→ 玉原多目的広場
コースmap
尼ヶ禿山 登山コース

 

尾瀬と谷川岳の中間には武尊山、前武尊山など2,000メートルの山々があります。しかし、尾瀬のようなハイカーをひきつけるような魅力的な花々や湿原、谷川岳のような見るものを圧倒させる岩場などもなく、二つの観光地にはさまれた言わば置き去りにされた山域と言われていました。しかし最近では武尊山の西麓に広がる玉原高原に玉原湖が造成され、スキー場、ペンションなどの開発が進むようになっているようです。

周辺には迦葉山(かしょうさん)、鹿俣山などのハイキングの対象となる山々もあります。その中で尼ヶ禿山という何とも変わった名前の山。玉原湖の奥に広がる玉原湿原から登山道が整備され、標高が低いにもかかわらず展望にも恵まれた山です。

山行の記録

 玉原湿原~尼ヶ禿山

玉原湖の大きな多目的広場に車を停め、ひとまず玉原湿原を目指すことにします。レストハウスの脇から舗装道路をしばらく下っていくと玉原湿原の入口です。木道が敷き詰められた湿原にはすでに花の時期を過ぎている水芭蕉が大きな葉を広げていました。この付近は蛙が多いようで、湿原のあちこちに大きな群れを作っていました。湿原にはワタスゲ、キンコウカ、タムラソウなど、湿原でお馴染みの花が咲くと言いますが、花の時期にはまだしばらく時間が必要です。

小さな湿原をほぼ半周。途中で道を右に折れると再び舗装道路に飛び出しました。ゲートで閉じられたトンネルの手前から本格的な登山道が始まります。付近は数日前まで雪が残っていたようで、枯葉の間からコゴミが小さな芽を出していました。雑木林の中の急坂をひと登りすると、ブナやミズナラなどに覆われた明るい尾根道を登っていくようになります。やがて玉原湖から登ってくる道を左手から合わせると山頂への登りが始まります。ジグザグを繰り返しながら高度を上げて行くと左手が切れ落ちた山頂の一角です。山頂は稜線の西端にあり小さな標柱が立っていました。

雲の中から顔を出す武尊山
玉原湖から眺める尼ヶ禿山

山頂からは広い展望を楽しむことができます。春霞に覆われてはいますが北側にはまだ稜線に白い雪を被った谷川岳、右手には武尊山の大きな山塊。その左手に見える雪に覆われた頂きは尾瀬の至仏山。尾瀬に春がやってくるのはまだしばらく時間がかかるようです。山頂の目の前は大きく切れ落ちています。冬に雪が降ると周囲の深い樹林に比べこの斜面が白く際立つことから、山頂がはげた山、天が禿山と名付けられたと言います。

 尼ヶ禿山~玉原湖

尼ヶ禿山の山頂で遅い昼食の後、玉原湖に戻ることにします。途中の分岐点で道を右に。一度小さく登り返し、ヒノキに覆われた暗い尾根道を進むと送電線の下にたどり着きます。指導標があるものの、電力会社の管理道路などが入り組み、道を間違いやすいところです。尾根道を緩やかに下っていくとブナやミズナラの明るい雑木林です。雑木林の説明をした自然観察の看板が建っていました。看板によると「付近のブナは樹齢が200年くらいとか。古くなった木は自然に倒れ、そこから日が差し込むことによりカエデなど背丈の低い木が育ち始める・・・」とか。

たどり着いた玉原湖の湖畔を約半周。道端に咲くコブシなどを眺めながら砂利道をたどると、車を停めた駐車場です。

Panorama
尼ヶ禿山山頂から眺める谷川岳 (カシミールで)
尼ヶ禿山山頂から眺める武尊山と至仏山 (カシミールで)
山で出会った花たち

玉原湖の湖畔をたどる道端にはコブシが真白い花を付けていました。小さな沢にはキクザキイチゲが青紫の花を付けていました。

登山道に咲いていたコブシ
青紫のキクザキイチゲ

 

その他のコース・山行記録
TAG:沼田・武尊
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