三峰山は、追母峰(おいばほう)、吹返峰(ふきかえ しほう)、後閑峰(ごかんほう)の3つのなだらかな峰からなる山で、秩父三峰山や丹沢の大山三ッ峰、丹沢三ッ峰などと区別するため、上州三峰山と言われています。
春先には山頂周辺にカタクリが咲くとも言われています。またあまり雪が深くないことから、上州の山としては珍しく冬にも登る人が多い山ようです。
河内神社の広い駐車場に車を停め、舗装された坂道を登り始めます。道端にはキブシの黄色い花が咲いています。ジグザグにカーブを繰り返すとパラグライダー出発場に向け荷揚げ用のリフトが設置されていました。ここからは露岩の多くなりはじめた坂道をしばらく登ると河内神社です。神殿で登山の無事を祈った後、山頂を目指すことにしました。左手の階段を登ると広く開けたパラグライダー出発場の広場です。視界は大きく開け、目の前には子持山の冬枯れの山肌。その奥に連なる山々は榛名の山々。左手に目を移すと大きな裾野を広げる赤城山が横たわっています。
ここからは冬枯れの雑木林のなかをたどる登山道が始まります。気温はあまり上がっていないようで、むしろ寒いくらいです。左手に三峰沼に下って行く道を分ける頃から、登山道に残雪が現れ始めます。まだこの山は冬の眠りから目覚めていないようです。小さなアップダウンのあるものの、登りというよりはヒルウォークといったほうが良さそうな山道が続いています。
たどり着いた小さな頂は吹返峰。この付近はすっかり雪に覆われ、踏み跡も不明瞭になってきます。木の幹に付けられた赤いペンキを頼りに鞍部に下り、登り返すと山頂まで後5分の標識が木の幹に打ち付けてありました。雪の坂道をひと登りすると上州三峰山の山頂です。ベンチが置かれた山頂は展望が開け、目の前には真っ白に雪を被った谷川岳。その右手の武尊山はもちろんのこと、迦葉山など比較的低い山も白い雪に包まれていました。
帰路は三峰沼を回ってから河内神社に戻ることにします。なだらかな尾根道を約1時間、三ッ峰沼分岐からは杉林の沢沿いの道を緩やかに下っていきます。しばらく下ると小さな三峰沼が現れました。雪解け水を集める小さな沢には水芭蕉が小さな群落を作っています。ここは農業用の灌漑用水とか、隣の沢にも雪解け水をたたえた小さな沼がありました。三峰沼から雑木林の中を緩やかに登って行くと、ほどなくパラグライダー出発場の手前にたどり着きました。パラグライダー出発場で最後の展望を楽しんだ後、車を停めた駐車場に戻りました。