茨城百景の一つ竪破山は、山頂に黒前(くろさき)神社を祀る信仰の山として知られています。また八幡太郎義家が太刀を執って断ち割ったと伝えられている大石や、薬師如来の眷族十二神将像が祀られている甲石など、古くからの歴史を今に伝える山です。
常磐自動車道の那珂インターから国道349号線、県道60号線を乗り継ぎ黒坂の集落へ。ここから車の対向もままならない未舗装の道を走ると二の鳥居駐車場にたどり着きます。
登山道は暗い杉の林の中を緩やかに登って行きます。しばらく登ると大きな不動石、さらに烏帽子石、手形石、畳石などと名付けられた大石が現れました。石のいわれなどを書いた立て札を読みながら遊歩道のような道を登って行きます。
東屋の建つ弁天沼で道は二手に分かれます。右手の道は仁王門をくぐり黒前神社へ登る石段の道。左手の道は太刀割石を経て黒前神社に登る道です。ここで道を左に。緩やかに杉林の中の登って行くとほどなく太刀割石にたどり着きました。八幡太郎義家が太刀で断ち割ったと伝えられる岩は、7メートルほどの大きな岩。あたかも太刀で切ったように真二つに割れています。どのようにしてこのようになったのか不思議な岩です。
ここからなだらかな尾根道をひと登りすると、広く開けた黒前神社の神楽殿の前に出ました。ここにも甲石や舟石などと名付けられた石があります。神楽殿から急な石段を登って行くと黒前神社の神殿です。竪破山の山頂は神殿のすぐ先にありました。
山頂の大きな展望台の上に立つと視界が開け、低く連なる常陸の山々を眺めることが出来ます。南方面にはアンテナを頭に載せた高鈴山が見えているようですが、春霞に霞んでいたこともあり、ほかの山々はあまり良く判りませんでした。