八溝山は茨城県の最高峰です。しかしなだらかな山容はあまり特徴も無く、山頂に建つお城のような展望台まで舗装道路か通じていることから、観光の山としての性格が強い山です。古くは坂東三十三観音霊場の一つ日輪寺や、すでに廃寺となっている月輪寺などの信仰の山としてたくさんの信者を集めたところのようですが、日輪寺さえも冬季は無人の寺となっているようです。
最近見た環境庁のホームページで、八溝山の山麓には日本の名水百選に指定された金性水、銀性水などの湧水群があることを知りました。今日は旧登山道入口から湧水群をたどるハイキングコースを訪ねてみました。
旧参道の駐車場に車を停め、山頂を目指すことにします。数日前に降った雪でしょうか、登山道はかなりの雪に覆われています。しばらく登ると冷たい水が流れ出る金性水の水場です。
冷たい水に喉を潤した後、沢を巻くように鉄水へ。水量が少ないのでしょうか、石で囲まれた鉄水の水場はすっかり凍りついていました。右手の林の中には月輪寺の跡。このような山の中に造られた寺社は里から食べ物を運ぶことも難しく、長い年月の中で廃寺になったのでしょうか。ここからは急な階段が続く八丁坂です。雪の積った階段に息を弾ませながら高度を上げていきます。いったん車道を横切るとほどなく山頂に建つ八溝嶺神社です。山頂には天守閣のような形をした展望台が建っていました。
山頂からは日輪寺へと下ることにします。登山道は先ほど登ってきた道を右に分け、明るい雑木林の中を緩やかに下っていきます。しばらく下ると左手に銀性水。沢に向かってしばらく下ると雪の中に小さな水場がありました。しかしこの水場もすっかり凍りに覆われ水さえも湧き出していません。
銀性水からしばらく下っていくと登山道は広い林道に飛び出てしまいました。まだ雪が残る林道をしばらく下ると道は二手に分かれます。左手の道は腐沢に下っていく道。日輪寺へは右手の道を下っていくことになります。
たどり着いた日輪寺脇の杉林の中には大きなキャンプ場がありました。夏にはたくさんの親子連れで賑わうのでしょうが今は人影もありません。ここからは暗い杉林の中、車を停めた旧参道入口を目指して下って行きます。しばらく下ると大きな沢にたどり着きました。水が綺麗なのでしょうか、石を積み重ねた山葵田には青い山葵が芽を出していました。ここから登山道はひと登りすると、車を止めた旧参道入口です。