チセヌプリの西に小さく頭を持ち上げるシャクナゲ岳は山頂に小さな沼を持った山です。ニセコ沼めぐりの縦走コースからはずれているため、これまで訪れることのなかった山です。
倶知安を通り抜けニセコへ。五色温泉からニセコパノラマラインに乗り換えると左手にチセヌプリがそびえています。急なカーブを繰り返しながらしばらく走ると観光客で賑わう神仙沼の駐車場にたどり着きました。
神仙沼の駐車場に車をとめ、たくさんの観光客と一緒に湿原に向かう遊歩道を歩き始めます。ダケカンバの雑木林の中をたどる木道は公園の遊歩道といったところ。小さな子供連れや観光バスのツアー客などが歩いています。神仙沼の手前で道を右に折れ、明るい雑木林の中をしばらく歩くと長沼です。岩内の水源地でもあるこの沼は、ニセコ沼めぐりの一つにもなっている沼です。
岩がゴロゴロとした長沼の湖岸を半周。チセヌプリとシャクナゲ岳の鞍部に向け、緩やかな登りに汗を流します。
たどり着いたチセ分岐から道を右に折れ、明るい笹の尾根道を緩やかに登っていくと山頂直下の台地にたどり着きました。真っ直ぐ行く道はシャクナゲ沼から白樺山へ向かう道。ここから山頂までは大きな岩がゴロゴロする急な登りです。たどり着いた山頂はハイマツに覆われた台地で、その南端からは広い展望を楽しむことができます。正面にはチセヌプリ、その向こうにはニセコアンヌプリと後志羊蹄山。まさに絵になりそうな眺めです。振り返ると目国内岳が特長のあるその山頂を見せていました。
まだ8月というのに、山頂にはたくさんのトンボが飛び回っています。山にはそろそろ秋が近づいているのでしょう。
山頂から岩のゴロゴロした急坂を下ると分岐点。ここからダケカンバの林の中を揺るやかに降りて行くとシャクナゲ沼です。古い噴火口に水がたまったものでしょうが、もう火口としての面影は全くとどめていません。静かに水をたたえた湖面の向こうに、遠く目国内岳が山頂をのぞかせていました。静かな水辺にはタチギボウシが小さな群落を作っています。
白樺山に向かう道は沼の辺をたどっているようです。白樺山を越え、新見峠までは2時間弱。しかし下山後の交通の便がまったくないようです。我々はここから神仙沼へ引き返すことにしました。
山頂直下に青く水をたたえるシャクナゲ沼には小さなお花畑がありました。あまりたくさんの花が咲くところではないようですが、サワギキョウやタチギボウシが紫の花を付けていました。