横浜市内で最も古い高野山真言宗のお寺です。寺伝によると天平9年(737年)に行基が十一面観音像を刻んで堂宇を建てたのが始まりと言い、弘仁5年(814年)には弘法大師空海が訪れ護摩を行い、歓喜聖天を刻んで安置したと伝えられています。
地下鉄弘明寺駅から弘明寺観音に通じる道は弘明寺の商店街です。飲食店などのほか野菜なども商うスーパーもありたくさんのお客で賑わっています。
仁王像が祀られた山門から急な石段を登って行きます。途中には京浜急行設立100周年を記念して奉納された身代わり地蔵が祀られていました。
本尊の十一面観音は平安時代中期の作で国指定の重要文化財に指定されています。現存する本堂は明和3年(1766年)に再建されたもので、一部には旧本堂の木材が使用されていると言います。
また境内の梵鐘は江戸神田に住む西村和泉守藤原政平という鋳物師が寛政10年(1798年)に作ったものです。川崎大師平間寺の梵鐘も同人の作と言います。
真言宗の宗派である。総本山は金剛峯寺。高野宗・高野派とも呼ばれる。全国に約3700の末寺がある。
六観音は六道輪廻の思想に基づき、六種の観音が六道に迷う衆生を救うという考えから生まれたもの。地獄道 - 聖観音、餓鬼道 - 千手観音、畜生道 - 馬頭観音、修羅道 - 十一面観音、人道 - 准胝観音、天道 - 如意輪観音とされる。天台系では准胝観音の代わりに不空羂索観音を加えて六観音とする。