鶏頂山登山口-(0h50m)-スキー場リフト跡-(0h20m)-弁天沼-(0h25m)-釋迦ヶ岳分岐-(0h20m)-鶏頂山-(0h15m)-釋迦ヶ岳分岐下-(0h30m)-スキー場リフト跡-(0h40m)-鶏頂山登山口
鶏頂山は壇の浦の戦いに敗れた平家の落人が隠れ住んだところとして知られています。湯西川温泉の平家の里や華麗な武者行列は平家の栄華を今に伝えているところです。
日塩もみじラインの途中にある登山口には大きな駐車場があります。暑い時期ですがすでに数台の車が停まっていました。天候が安定している午前中に山頂を目指している人も多いようです。
大きな鳥居の建つ登山口からは雑木林の中を登り始めます。鶏頂山神社が祀られたこの山は古くからの信仰の山で主祭神は猿田彦大神、また山頂直下の弁天沼には弁財天とともに金山の神と言う金山彦命が祀られると言います。登山道には登拝記念の石碑も建っていました。
登って行く斜面にはすでに営業を終えたメープルヒルスキー場のゲレンデの中です。しばらく登ったところはリフトの山頂駅跡で、この付近まではジープなどオフロード車が登ってくるようです。
ここで一息を入れたのち再び暗い樹林帯の中を登って行きます。途中、大沼へ道を右に分け小さく登ると弁天沼にたどり着きました。奉納された旗がどこか抹香臭さを感じさせる暗い沼です。
湖畔には平家一門有縁の地と刻まれた石碑が立っています。源平の戦に敗れた平家の落人がこの地に住んでいたことなどが記されていました。近くの桧枝岐村もまた平家の末裔が住んだ所と言います。全国にも多くの平家の落人伝説が残っていますが、ここもまたそのような土地の一つでしょう。
ここからは鶏頂山へ向かって登りが始まります。御助け水の案内を過ぎると登りも急坂になり、木に根やロープなどにつかまりながら高度を上げていきます。
しばらく登ったところは釋迦ヶ岳への道を左に分ける稜線。木立の先からは釋迦ヶ岳の頂がそびえています。高原山は鶏頂山、釋迦ヶ岳、中岳、西平岳、剣が峰などの頂を持ちおよそ10万年前まで活動していた古い火山です。目の前に開ける爆裂火口は激しい火山活動を今に伝えるところです。
ここから山頂までも急な登りが続きます。山頂に神社があることからら登山道は整備が行き届き、道が付け直されているところもあります。固定ロープを頼りに急坂を登って行くと鶏頂山の山頂にたどり着きました。
山頂には鶏頂山神社の社が祀られています。社の裏手は広く開け、目の前には雲を巻き上げながら釋迦ヶ岳の頂がそびえています。この時期、山頂周辺にはたくさんのトンボが飛び交っていました。暑さに弱いトンボは高い山の上で夏を過ごし秋風が吹くころ麓に下ると言います。数年前にこの山に登った時も、釋迦ヶ岳の山頂でトンボの大群が波を打つように飛んでいた記憶がよみがえってきました。
山頂で昼食です。天候も安定していないようで遠く雷の音も聞こえてきました。釋迦ヶ岳の山頂はあきらめる登山口に戻ることにしました。
釋迦ヶ岳の分岐まで下ってくると雨が降り始めてきました。白砂山でのゲリラ豪雨が気になり雨具を着こみます。すでに樹林帯に入っているので雷の音もさほど気になりませんがやはり山では雷に会いたくないものです。
帰りは龍王峡近くのお蕎麦屋さんに立ち寄り、お蕎麦を食べていくことにします。田舎蕎麦があるということで早速もりそばを注文、黒い蕎麦はなかなかGoodです。古い作りのお店には囲炉裏や古い電話など、なかなか趣もありまあす。またいつか立ち寄ってもよさそうなお蕎麦屋さんでした。