稲包山は上越国境線上に連なる稜線上に頭を持ち上げる頂です。山麓の四万温泉には稲包神社が祀られ古くからの信仰の山となっていました。登山道は四万温泉から登るもの、三国峠から登るものなどがガイドブックに紹介されていますが、今回はすでに廃止された三国スキー場から山頂を目指すことにしました。
三国スキー場-(1h00m)-西稲包山-(0h40m)-稲包山-(0h55m)-三坂峠-(1h15m)-三国スキー場
駐車場からは湯之沢のそった登山道を緩やかに登っていきます。上信越自然歩道として整備された道ですがあまり入る人もいないのか、草に覆われた道は昨日の雨に濡れてズボンの裾も汚れてしまいます。
黄連沢や丸木橋入口などと書かれた道標をたどりながら登っていくと湯之沢の渡渉点です。流れの中には踏み石も幾つかあり雨の後でもなければそれほど渡り難いところではないようです。
ここからは三坂峠に向かっての登りが始まります。雑木林の中を登っていく道にはトラロープが張られたところもあります。やがて稜線が近づくようになると程なく笹に覆われた三坂峠です。目の前は広く開け、赤沢山などの頭の先に沼田方面の展望が広がっていました。
ここからは稜線上に続く小さなアップダウンが始まります。小さく登った頂は西稲含山、深い笹藪に覆われた登山道には腰を下ろす広場も見つかりません。視界が開けた西稲包山の山頂で最初の小休止としました。
西稲包山からは一度鞍部に下ります。春にはシャクナゲの花も見ることができそうな斜面はトラロープも張られた急な下りです。
鞍部からは小稲包山への登り返しが始まります。気温はそれほど高くないようですが、照りつける日を浴びながらの登りはかなり辛いものがあります。
小稲包山からは再び小さな鞍部へ。登り返すと三国峠から登ってくる道を合わせる新道分岐です。ここから山頂までは明るい稜線をひと登りです。
汗にまみれながらたどり着いた山頂は広い展望が得られる所で、目の前には平標山から仙ノ倉山、三国山の上には大源太山が雲の中に山頂を隠していました。それから続く青くかすむ稜線は至仏山や上州武尊山、日光の山や皇海山もその頂を見つけることができます。
この山頂には3等三角点と主三角点が同居しています。大源太山の山頂近くで主三角点を見つけたことがありましたが、この山頂にも主三角点がありました。
帰りは往路をたどり三国スキー場へ。湯之沢に沿った登山道はすでに秋の花が咲き始めていました。
この登山道は上信越自然歩道として整備された道ですが、三国スキー場から三坂峠への道はあまり人が入っていないようで、草が道を覆っているところもあります。まだまだ暑い日が続いていますが山はそろそろ秋の季節を迎えているようで、リンドウやアザミの花が咲き始めていました。