塩谷駅の裏手にこんもりと頭を持ち上げる丸山は海岸線の近くにあることから、余市や蘭島の海岸からも良く目立つ山です。また小樽市周辺自然歩道の一部にもなっており、春から秋にかけて多くのハイカーに親しまれた山です。我々も子供達の手を引いてこの山頂を目指した記憶が残っています。
観光バスなどで賑わう小樽の市内を通り抜け、国道5号線を塩谷へ。ここから道を左に折れるとほどなく塩谷駅です。目指す丸山の登山口は大きなガスタンクの裏手にあります。
駐車場に車を置き、狭い畑の中の道を登り始めます。付近一帯は、今が春の野山を彩る花々の真っ盛りのようです。白い花をつけたシロバナエンレイソウ、ヒトリシズカ、お馴染みのタチツボスミレなど。花の種類も思いのほか多いようです。やがて登山道は明るい雑木林の中を登っていく急坂になってきます。
急な登道をひと登りすると標高450mの台地の一角にたどり着きました。広い草原状の台地は強い風が吹き抜けるところで、潅木すらも生えていません。目指す山頂は小さな露岩帯を越えたところにありました。
さすが海の近くにある山だけあって、山頂に祀られた祠の脇には赤錆びた錨と鉄剣が祭ってあります。これだけ重そうな錨を山頂までどのように持ち上げたのでしょうか。山頂は強い風が吹き抜けています。潅木の陰に身を寄せながらお弁当を広げることとしました。
低山にしては山頂からの展望はなかなか素晴らしいものがあります。目の前には小樽の港と天狗山。振り返ると白い波が打ち寄せる塩谷から余市にかけての海岸線。その向こうにはシイバ岬と積丹岳が霞んでいます。その左手にはニセコの山々、さらにその左手には後志羊蹄山と余市岳など。多少雲の多いものの素晴らしい展望を楽しませてくれる山頂です。
昼食の後、往路を登山口まで戻ることとします。山頂からは遠藤山方面に下る道もあるようですが、登山口に車を置いてきたのでは致し方ありません。どうしても往路と復路が同じ道になるため、単調な山登りになってしまうのは致し方ないものです。