「会津磐梯は宝の山よ」の唄で古くから世に知られれいた磐梯山は火山の山です。明治21年7月15日、突然大噴火を起こし、北側の小磐梯山はその山体を吹き飛ばされ、噴出した火山灰や溶岩は檜原村一帯を覆い包みました。この噴火により檜原湖、小野川湖、秋元湖、五色沼などを始めとする200余りの湖沼群が作られたと言います。今、裏磐梯といわれるこの付近は、ホテルや土産物屋の建ち並ぶ観光地と化し、猪苗代湖側の表磐梯よりもむしろ賑わっているようです。
磐梯山への登山口には渋谷口、猪苗代口、翁島口、裏磐梯口などが開かれています。今日は磐梯ゴールドラインの途中にある八方台から山頂を目指すこととします。磐梯ゴールドラインから磐梯山の頂を仰ぎながら急なカーブを繰り返すと、磐梯山と猫魔ヶ岳の按部である猫魔八方台の駐車場にたどり着きました。小さな駐車場はすでに車で溢れています。仕方なく道端の空き地に車を停め山頂を目指すことにします。
八方台の駐車場からは、ブナやミズナラが黄色く色付いた雑木林を中ノ湯の分岐へと登って行きます。緩やかな心地好い登りを繰り返すと小さな按部である中ノ湯の分岐です。左手には噴気口があるようで、笹原が茶色く枯れ鼻を突く硫黄の臭気が漂っています。ここからは赤や黄色に色付いた雑木林の中、急な登りが始まります。しばらく登ると広く展望の開けた火口壁の縁。左手下には、靄に霞んだ五色沼と檜原湖が広がっていました。
ここからは、オオカメノキやナナカマドの真っ赤な紅葉に励まされながら、山頂直下の天狗岩を目指すこととします。火口壁を巻くように急坂をひと登りすると、火口壁の最頂部である天狗岩にたどり着きました。左手は小磐梯の大爆発で造られた砂礫と岩の断崖。右手には大同元年(806年)の噴火により造られたという櫛ヶ峰。その間に沼ノ平の湿原が広がっています。
天狗岩からは山頂へ急な登りが始まります。しばらく登った所が弘法清水。小さな山小屋が2軒、清水を挟んで向かい合っていました。
ここからは露岩の多い急坂を山頂へと登って行きます。たどり着いた山頂は岩がゴツゴツと積み重なった岩隗の上にあります。目の前には櫛ヶ岳の切り立った頂。その向こうに広がる檜原湖、小野川湖、秋元湖と五色沼。長く連なる稜線は西吾妻山から東吾妻山の峰々でしょうか。振り返ると大きな猪苗代湖は海のように霞んでいました。
磐梯山の山頂で展望を楽しんだ後、さきほど車を停めた八方台を目指し急坂を下って行くこととします。
たどり着いた八方台の駐車場からは、檜原湖を目指しゴールラインを下って行きます。振り返る磐梯山は、猪苗代側から眺める磐梯山とうって変わり、右手の山頂と櫛ヶ峰の成す間隔の広い双耳峰。その間に口を開ける爆裂火口が不気味な姿を見せていました。