安達太良山~高村光太郎の智恵子抄にも詠われた東北の山~ 


標高
安達太良山 1,699.6m、鉄山 1,709.3m
山域
東北
登山日
1995年5月6日(土)
歩程
合計 4:35
歩行距離
8.7km
標高差
388m
累積標高差
472m、-848m
登山口
奥岳温泉mapon
交通機関
 東北道二本松ICから14km
登山コース
奥岳温泉 -(ロープウェイ)→ ロープウェイ山頂駅-1:40→ 安達太良山 -0:25→ 矢筈森 -0:20→ 鉄山 -0:55→ くろがね小屋 -1:15→ 奥岳温泉
コースmap
安達太良山 登山コース

 

高村光太郎の智恵子抄で広く世に知られたこの山は、和尚山、矢筈ノ森、鉄山、箕ノ輪山などの山々の総称です。主峰である安達太良山は、その中央に円錐形の頭を持ち上げていることから、またの名を乳首山とも呼ばれ親しまれた山です。その特徴のある山頂はなだらかな山が連なる東北にあって、遠くからも良く目立つ山です。

東北自動車道の二本松インターから奥岳温泉へ。土産物屋や旅館の建ち並らぶ温泉街から県道をしばらく登って行くと安達太良高原スキー場の大きな駐車場です。

山行の記録

 五葉松平~安達太良山

冬はスキー客で賑わう大きな駐車場に車を停め、ロープウェイを利用して五葉松平に。ここからはハイマツやナナカマドの潅木の中を緩やかに登り始めます。登山道は折からの雪解け水で泥濘状態。我々は登山靴のため多少の泥水は気にならないものの、キャラバンやスニーカーで登って来る人は大変そうです。しばらくすると登山道は、大きく広がる雪渓の上を横切ることになります。急な登りにひと汗をかくころ、目の前に乳首山の小高い岩隗が現われました。

短い鎖が張ってある山頂へ登ると大きく視界が開けます。赤茶けた鉄山の山肌の上には、白い雪を頭に載せた吾妻連峰の山々。遠く霞む山は会津の秀峰磐梯山でしょうか。振り返ると二本松に市街が明るい春の日の下に広がっています。智恵子抄に謡われた阿武隅川は低く連なる阿武隅山地の手前を緩やかに流れていました。

安達太良山の山頂は乳首のような岩隗の上
船明神山の上には磐梯山が霞んでいます
稜線をたどる登山道は鉄山へ続いています
鉄山の山肌は切れ落ちていました

 矢筈森

山頂からは牛ノ背と言われる赤土の露出した按部を矢筈森へと向かうこととします。左手には火口底である沼ノ平が無気味な火口壁をめぐらせています。月面を思わせる火口底は、その名のとおり以前は沼であったようですが、今は白い砂地と化しています。明治33年の噴火では、ここにあった硫黄洗練所が被害に会い、70余名の従業員が全滅したと言います。今はただ強い風が牛ノ背を吹きぬけているだけです。やがてたどり着いた矢筈森で遅い昼食としました。

不気味な静寂が広がる沼ノ平
ここは噴火口の跡でしょうか

 鉄山~くろがね小屋~勢至平~奥岳温泉

矢筈森からは鉄山に向かうこととします。ゴツゴツと岩が露出した急斜面をひと登りすると、平坦な鉄山の山頂にたどり着きました。ここから続く緩やかな尾根道は、箕ノ輪山、鬼面山へと続く縦走路です。今日はここから牛ノ背の按部に戻り、雪の斜面をくろがね小屋へ下ることとします。

雪の厚く積もる斜面は雪渓というよりは、むしろ春山と言ったほうが正しいようです。登山靴をスキー代わりに下る斜面はなかなか楽しいものです。

たどり着いたくろがね小屋は宿泊もできる山小屋で、温泉もあると言います。ここからは緩やかな山道を勢至平へと下って行きます。山道の脇には丸太を繰り抜いた水道管が朽ちかけていました。おそらくくろがね小屋付近の源泉から温泉を引いていたのでしょう。たどり着いた広い勢至平には、春を告げるショウジョウバカマがピンクの花を咲かせていました。

その他のコース・山行記録
TAG:磐梯・安達太良
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