奈良時代の大宝年間(701-704年)に藤原鎌足の子の定恵が創建。年号をとって大宝寺と号し後に大法寺と改めたと言います。観音堂に安置される十一面観音は平安後期の作とみられる古仏で重要文化財、本堂の裏手には国宝に指定された三重塔がそびえています。
国宝に指定された三重塔は薬師寺の東塔、浄瑠璃寺、興福寺など全国に13ヶ所、長野県では大法寺の三重塔と安楽寺の三重塔が指定されています。
境内には参道に沿って表情豊かな羅漢像が祀られていました。大杯で酒を汲む姿、寄り添って話をする姿などなかなか和めるものです。呵々大笑と刻まれた石碑の傍には胎を抱えて笑っている石仏も祀られていました。
法華経を根本経典とする大乗仏教の一派。575年隋の智顗(ちぎ)が天台山にこもって大成。日本へは奈良時代に唐僧鑑真(がんじん)が初めて伝え、平安初期に最澄が比叡山に延暦寺を建て開宗。のち山門派と寺門派、さらに真盛(しんぜい)派に分かれた。
仏教の開祖。世界4聖の一人。ネパール南部の釈迦族の王子として紀元前6から前5世紀に生まれる。苦行ののち悟りをひらきインド各地で布教して80歳で没したとされる。
はじめは実在の釈迦をさしたが入滅後、超人化・神格化されて信仰・崇拝の対象となる。日本には6世紀、百済からその教えがつたわった。
中国、唐代の高僧。日本律宗の開祖。揚州大明(たいめい)寺で戒律を講じ名声があった。742年日本僧栄叡(ようえい)らの請に応じて来日を志したが海賊や風波の災で5度挫折の後、754年渡来した。
六観音は六道輪廻の思想に基づき、六種の観音が六道に迷う衆生を救うという考えから生まれたもの。地獄道 - 聖観音、餓鬼道 - 千手観音、畜生道 - 馬頭観音、修羅道 - 十一面観音、人道 - 准胝観音、天道 - 如意輪観音とされる。天台系では准胝観音の代わりに不空羂索観音を加えて六観音とする。