たくさんのハイカーで賑わう伊豆ヶ岳の東に連なる稜線上には二子山や武川岳など結ぶ明るいハイキングコースがあります。しかし奥武蔵の中では比較的歩程の長いこともあってか歩く人も少ないようです。山の会の仲間と一緒に新緑の武川岳を訪ねることにしました。
飯能を出発する国際興業バスの臨時バスはほぼ満員のハイカーを乗せ名栗の山里を走ります。折からツーデーマーチが実施されているようで入間川に沿った遊歩道をたくさんの人が歩いていました。
名郷登山口9:20-(0h35m)-540m付近9:55/10:00-(0h40m)-天狗岩下10:40/50-(0h40m)-890m付近11:30/35-(0h45m)-武川岳山頂12:20/13:00-(0h20m)-蔦岩山13:20-(0h55m)-焼山14:15/20-(0h50m)-二子山(雄山)15:10/15-(0h20m) -二子山(雌山)15:35-(0h55m)-540m付近16:30/35-(0h30m)-芦ヶ久保17:05
たどり着いた名郷のバス停から春の花が咲き乱れる集落の中をジグザグに登って行きます。季節は初夏を迎えようとしているようで斜面にはシャガの白い花が咲いています。しばらく登った道端の石段から杉林の中を登って行く登山道が始まります。近くでは石灰岩の採石が行われているようで、岩を砕く重機の音が風に乗って聞こえていました。
杉林の中の急坂をひと登りすると稜線です。大きな岩を越えながら稜線を進むと天狗岩の下にたどり着きました。
ここからは男坂の岩場です。大きな岩の間を登って急坂はそれほどきつい岩場ではありません。正面にそそり立つ岩壁を巻くように天狗岩の上へと登って行きます。たどり着いた岩の上からは奥武蔵の新緑に包まれた山並みが広がっていました。
天狗岩からは前武川岳を目指して杉林の登山道を登って行きます。左手が開けた植林帯の先には大持山や小持山、シラジクボから登り返す思いの外大きな頂は武甲山です。石灰岩の採掘で山の姿が変わってしまった山も、ここから眺めるとまだその山肌は杉の木立に覆われていました。
シカ避けの柵に沿った急な登りに息を切らせると山伏峠から登ってくる道を合わせる前武川岳です。一度小さく下り明るい稜線を登り返すと武川岳の山頂にたどり着きました。
南側が開けた山頂からは正面に蕨山、それから続く稜線には橋小屋ノ頭、有間山などの頂を見付けることができます。しかしその右手は木立に囲まれ大持山や小持山、武甲山の頂は見ることができませんでした。
武川岳からは若葉に包まれた明るい稜線の下りが始まります。ガイドブックでは芦ヶ久保から登るコースが紹介されているようで、この時間でも武川岳を目指して登ってくる人も多いようです。稜線上の小さな頂は蔦岩山と言いますが標柱も見当たらず通り過ごしてしまいました。
鞍部から小さく登り返すと焼山です。山頂からはこれから登る二子山の頂、振り返ると青空の下に武甲山の大きな山頂がそびえています。ここから見る山肌は石灰岩の採掘で無残に土削られ何処かピラミッドのような形をしていました。
道標にも記されていましたがここから二子山へはアップダウンの多い道です。山頂直下の急坂を下り小さなコブを越えて行きます。二子岳への登りは暗い杉林の中の急坂で疲れ始めた足にはかなりきつい登りでした。
登山道は山頂を巻くように右手の展望台へと続いています。小さな岩の上に立つと今たどってきた長い稜線が一望できます。目立つ大きな頂は蔦岩山、その奥には武川岳、それから続く稜線は大持山、小持山へと続いていました。
暗い山頂は雄岳の山頂です。山頂標識の前には3等三角点を見付けることができます。ここからは鞍部に向かい小さく下ります。山頂直下に岩場を巻きように登り返すと雌岳の山頂です。
ここで登山道は2手に分かれます。右手は地形図にも記されている急坂を下る道です。左手の道は比較的なだらかな道のようです。ここは比較的短い右手の道へ。雑木林の中を下る赤土の急坂には固定ロープが張られていましたがかなり滑りそうなところです。
しばらく下ると登山道は左手の唐松林の中へと下るようになります。ジグザグに下る道はやがて小さな沢の中を下って行くようになります。
やがて西武線の電車の音が近付いてくると芦ヶ久保の駅は目の前です。線路下を通る小さなトンネルをくぐると芦ヶ久保の道の駅にたどり着きました。たくさんの人で賑わう道の駅で一休みしながら帰りの電車を待つことにしました。
奥武蔵の低い山には目立った花は多くありません。それでも登山道にはシャガやマムシグサなど初夏の花を見付けることができます。
芦ヶ久保へと下る沢沿いの登山道にはクワガタソウの白い花、沢の中には黄色いヒメレンゲの花も咲いていました。