西島駅登山口~(0h50m)~剣山~(0h30m)~次郎岌峠上~(0h20m)~次郎岌~(1h20m)~剣山~(0h20m)~大剱神社~(0h35m)~西島駅~(0h30m)~剣山神社~(0h05m)~見ノ越駐車場15:35
日本百名山にも選ばれた剣山、古くは太郎岌と呼ばれた頂は次郎笈とともに四国第2、第3の標高の山です。剣山の名は安徳天皇の宝剣を山上に収めたことから名付けられたと言われています。
国道と名前が付いても四国を横断する国道438号線は狭い山道です。カーブを繰り返すたびに高度を上げながらトンネルをくぐると剣山の登山口である見ノ越の駐車場にたどり着きました。
見ノ越からは9時始発と言う剣山リフトで山頂に向かうことにしました。
たどり着いた西島駅からは明るい稜線上の登山道を登って行きます。標高2,000mに満たない稜線にもかかわらず森林限界を越えている明るい稜線は灌木に覆われています。しかしフモトスミレやネコノメソウ、コミヤマカタバミなどが咲いているもののあまり目立つ花を見付けることができません。
途中には刀掛けの松の分岐点。案内板には付近にキレンゲショウマが咲くと言います。キレンゲショウマは宮尾登美子の小説、天涯の花にも登場する黄色い花です。レンゲショウマは奥多摩の御岳山などでも見ることができますがキレンゲショウマは近畿以西の山に咲く花です。
ここからも緩やかに登る遊歩道のような道が続いています。山頂直下の鳥居をくぐると剣山の本宮にたどり着きました。その隣には土産物などを売る頂上ヒュッテが店を開いていました。
本宮の脇から石段を登ると広く開けた山頂の肩です。平家平と呼ばれる一帯には木道が敷かれ、緩やかに剣山の山頂へと続いています。
一等三角点が置かれた山頂からは青空の下に360度の展望が広がっています。初めて目にする四国の山頂では何処がどの山なのか、山頂を同定することは難しいものです。それでも目に前にはこれから向かう次郎笈の笹に覆われた山頂。その右手に続く稜線を目でたどると三嶺(みうね)へと続いていました。振り返ると淡路島や八島なども見え隠れしているようですが梅雨空の下での遠望は今一つです。
剣山からは次郎笈に向かうことにします。明るい稜線を下って行くと次郎笈峠と呼ばれる鞍部、ここからは次郎笈に向かう急な登りが始まります。振り返ると若草色の笹原に包まれた剣山の山肌、濃い緑色のシラビソが高山の雰囲気を演出していました。
緩やかになった登山道は次郎笈の山頂にたどり着きました。この頂は石鎚山、剣山に続き四国第3の標高と言います。笈(ぎゅう)とは経典などを背負う笈(おいずる)のことで山を意味すると言います。
山頂からは日本名水百選に選ばれた湧き水をたどり大剱神社に向かうことにします。明るい尾根道を下る登山道は三嶺へと向かう道を左に分けたのち、次郎笈の山肌をトラバースするように鞍部へと向かって行きます。
たどり着いたニ度見展望所には分岐点、ここから右手の道をたどりましたがジグザグに登って行く道は山頂へと登って行きます。結局剣山の山頂を2度踏むことになってしまいました。
山頂からは大剱神社に下って行きます。お塔岩と呼ばれる大きな岩の下に祀られた神社は「天地一切の悪縁を断つ、現世最高の良縁を結ぶ神社」。神社の下には病気を治す若返りの神水が湧き出していると言います。
岩屑の道を下ると小さな鳥居が建つ御神水、案内板にはミネラル分が多く腐りにくい水とか。早速ペットボトルに入れて持ち帰ることにしました。御神水の下にはニ度見展望台から下っくる道が続いていました。
御神水からはリフトの西島駅へと緩やかな登山道を下って行きます。登山道沿いには頭を赤く塗られた境界石が所々に続いています。
西島駅からも緩やかに下って行く登山道を見ノ越へ。途中、リフトの下をくぐる小さなトンネルなど登山道の整備は行き届いています。
たどり着いた登山口には剣神社の古びた社があります。おみくじなどは置いてあるものの神主さんは常駐していないようです。参道の脇には円福密寺と言う寺院もありましたが、こちらも住職は住んでいないようでした。
次郎笈まで往復すると4時間を越える山、2,000mを僅かに切る標高や笹尾根のようななだらかな姿は四国の大菩薩嶺と言ったところでしょうか。リフトの案内では一泊で訪れるとその良さが違うと紹介されていました。山頂で宿泊するとご来光など違った景色が楽しめるのかも知れません。